ハム清水　４年目初のプロ満弾　打率１割台の男がもう５号

パ・リーグ   日本ハム４―１楽天 （ 2018年5月3日    札幌Ｄ ）

＜日・楽＞７回１死、逆転満塁本塁打を放つ清水
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　日本ハムは３日、札幌ドームで行われた楽天戦で逆転勝利を飾り、連敗を３でストップさせた。８番・清水優心捕手（２１）が、１点ビハインドの７回に自身初となる逆転グランドスラムを中堅席に叩き込んだ。昨季までの３年間でわずか１本塁打だった若武者が早くも５本塁打。絶対的な正捕手を目指し、日々奮闘している。

　ネクストバッターズサークルで、清水は三塁ベンチの栗山監督を何度もチラ見した。「代打を送られるのでは…」と心配していたからだ。１点を追う７回１死満塁。代打はなかった。強い気持ちを胸に打席に入り、中越えにプロ初となる逆転満塁弾をかっ飛ばした。

　「代打がなかったので“何が何でも打つ”という気持ちで打席に入った。格好良い言葉を使えば“無我夢中”という感じでした」

　打線は６回まで楽天・辛島の前にわずか１安打で無得点。１点ビハインドで迎えた７回は１死から清宮が右前打を放ち、ともに代打で出場した杉谷、鶴岡も安打でつないで満塁となった。「年下（の清宮）が打ったので自分も火がついた」という清水は１ボール１ストライクから１３２キロの直球をフルスイング。「たぶん高校３年以来」という逆転の５号満塁弾を放ち、一塁を回ってど派手なガッツポーズも披露した。

　先輩の助言が生きた。「捕手の仕事はやっぱりリード。だから打てる捕手よりも、勝てる捕手になりたい」が口癖だが、打率は１割台に低迷。前日２日には同じ右打者で尊敬する主砲の中田から「（左）足を上げた時に“間”がないと打てないぞ」とアドバイスを受けた。そこで投手方向に突っ込み気味だった打撃フォームを修正。チームの正念場で最高の結果につなげた。

　正捕手を目指す若武者の一撃でチームは連敗を３で止めた。「まだゴールデンウイークは続く。連勝できるように頑張ります！」。お立ち台の最後、清水の力強い言葉にファンは大歓声で呼応した。　（山田　忠範）