阪神・糸井弾で本拠35イニングぶり得点 超人が“呪縛”解いた

[ 2017年10月6日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2―1中日 ( 2017年10月5日    甲子園 )

6回1死、右中間に同点本塁打を放つ糸井
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 阪神は5日の中日戦に2―1で競り勝ち、甲子園球場では8試合、25日ぶりの勝利を挙げた。先制された直後の6回に糸井嘉男外野手(36)が2試合連続の同点17号。本拠地では35イニングぶりの得点をたたき出し、7回の決勝点につなげた。6日のレギュラーシーズン最終戦を前にクライマックスシリーズ(CS)へ弾みを付ける白星になった。

 また超人だ。猛虎を暗いトンネルから救い出した一発。長く続いた「ゼロ行進」に終止符を打ったのは糸井の右中間への見事な17号ソロだった。

 「今日は風が逆やったんで、入ってくれると思っていました。取られた後だったのですぐに追いつくことができて良かったです」

 先発の秋山が先制を許した直後の6回。1死無走者から小笠原の内角高めの142キロを打ち抜いた。やや詰まりながらも、桁違いのスイングスピードと普段の浜風とは違い左翼から右翼方向へ吹いていた風の助けも受け、白球は最深部の右中間席へ着弾。甲子園球場のスコアボードに実に35イニングぶりに「1」の数字が刻まれた。

 「それもあったし、CSもありますんで、あと1試合しっかりやっていきたい」

 本拠地に限れば3試合連続の零敗もあって4試合ぶりの得点。9月10日のDeNA戦を最後に2分け5敗で7試合も白星がなかった甲子園球場に25日ぶりの勝利を呼んだ。

 チームの苦境を脱出させる働きは初めてではない。9月27日の横浜でのDeNA戦では0―4の6回1死一塁から26イニングぶりの得点となる中越え15号2ラン。前回同様、本塁打という最も勢いが付く形で負の連鎖を止め、金本監督にも「流れをグッと引き寄せてくれる一打を打ってくれている」と称えられた。

 順位が確定し、主力選手はCSに万全で臨むために休養を取ることも視野に入れながらの試合だった。40歳の福留、36歳の鳥谷が5回の守備から退いた中、36歳の超人には関係ない。四球で出塁した初回には二盗で21個目の盗塁に成功。走攻守で躍動してのフル出場で試合後にはドリス、竹安とともに殊勲のお立ち台にまで上がった。

 「次の目標はCSに勝ち上がって日本シリーズに行くことなんで、それに向けて頑張っていきたい」

 ベテラン、助っ人、若手の異色のトリオで上がった台上でファンに力強く約束。きょう6日のレギュラーシーズン最終戦での必勝も期し、「シーユー!」と言い残してさっそうとクラブハウスに消えた。(山添 晴治)

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