“育成の星”巨人・松本が引退 09年新人王 小技と守備で魅了

[ 2017年10月6日 05:30 ]

現役引退することが分かった巨人・松本
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 巨人・松本哲也外野手(33)が、今季限りで現役を引退することが5日、分かった。松本は06年の育成ドラフト3位で巨人に入団。07年に支配下選手登録されると、09年には育成選手の野手として初めて新人王に輝いた。11年目の今季は1軍出場はなく、ユニホームを脱ぐ決断を下した。近日中に正式発表される。

 「育成の星」が、現役に別れを告げる。巨人の育成選手から初めて支配下選手に昇格した松本が、惜しまれながら、11年のプロ野球人生を終える決断を下した。

 松本は開幕1軍入りを果たした09年にブレーク。主に2番打者として27犠打をマークするなど、チームのリーグ3連覇、日本一に貢献した。頭の上でバットを担ぐような「天秤(てんびん)打法」が代名詞だった。「練習中にバスターで打ってみたら、こっちの方がタイミングが取りやすい形だなと思って」とプロに入って3年目で課題の打力アップにつなげた。同年は育成出身野手で初の新人王とゴールデングラブ賞を獲得した。

 1メートル68と小柄な体格ながら、度重なる故障を乗り越え、ダイナミックなプレースタイルがファンの支持を集めた。中堅の守備ではリーグ屈指の守備範囲を誇り、体が反り返るほどのダイビングキャッチでピンチを救ったシーンは数え切れない。

 最近2年間は打率1割台と苦しみ、出場機会は減少。打撃フォームの改造にも乗り出し、今季は2軍戦で99試合に出場し打率・288をマークしたが、思うようなプレーができず、1軍出場はなしに終わった。戦力になれなかったもどかしさを抱えながらプレーしてきたが、自らユニホームを脱ぐ決意を固めた。

 7日に宮崎で行われる広島とのファーム日本選手権にはチームに同行予定。育成から支配下選手になった思い出のキャンプ地で、最後の勇姿を見せる。

 ◆松本 哲也(まつもと・てつや)1984年(昭59)7月3日、山梨県生まれの33歳。山梨学院大付1年夏の甲子園に出場。専大を経て06年育成ドラフト3位で巨人に入団。翌07年2月にセ・リーグで初めて育成選手から支配下登録された。09年に新人王、育成出身では初のゴールデングラブ賞を受賞。10年にはファン投票で球宴に出場し、第2戦で育成出身選手として初の安打をマークした。1メートル68、70キロ。左投げ左打ち。

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