なぜ?由伸巨人、異例の4コーチ大異動 最大の狙いは中継ぎ陣強化

[ 2017年7月14日 05:30 ]

2年ぶりに1軍投手コーチに復帰する斎藤2軍監督(右)と高橋監督
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 球団史上ワーストの13連敗を喫するなど、前半戦4位で折り返した巨人が13日、4コーチの配置転換を発表した。斎藤雅樹2軍監督(52)が1軍投手コーチ、尾花高夫投手コーチ(59)がブルペン担当、ブルペン担当の田畑一也投手コーチ(48)がスコアラー、内田順三巡回打撃コーチ(69)が2軍監督に就任する。シーズン中では異例の人事。15日の練習から新体制で臨み後半戦で巻き返しを図る。

 シーズン途中に発表されたコーチ人事。斎藤2軍監督を2年ぶりの1軍投手コーチとするなど、投手部門を刷新した鹿取義隆GMは「ここからチームが浮上するために最高の配置転換。(斎藤2軍監督は)明るいキャラクターでベンチの雰囲気も変えてくれる」と説明した。

 球宴前の9連戦は7勝2敗と好調だったが、前半戦は38勝44敗の4位。首位・広島と14・5ゲーム差まで開いた。過去にもチームが低迷した際にコーチを入れ替えた例はある。球宴までに首位・中日に14ゲーム差となった06年は、打線強化を狙って岡崎2軍打撃コーチを交流戦明けから1軍のスコアラーに配置転換した。ただ、シーズン中に4コーチの担当が変更されるのは極めて異例だ。

 3年ぶりのリーグ優勝を目指した今季は、5月下旬から球団ワーストを42年ぶりに更新する13連敗。6月中旬には堤辰佳GMが成績不振を理由に辞任し、鹿取GMに交代するなど編成部門を着手。今回は現場の投手部門の改革に踏み切った。

 前日に石井一夫球団社長、鹿取GMと会談した斎藤2軍監督は「びっくりしたけど高橋監督のために、また1軍で頑張りたい。最後の方(リリーフ)の投手をしっかりすれば十分勝てる要素はある」と覚悟を口にした。過去10年にわたって1軍投手コーチを務めるなど経験は豊富。昨秋のU―23日本代表監督として世界一に導いた手腕も期待される。

 今季は16度の逆転負けを喫するなど、中継ぎ陣が課題となっている。尾花投手コーチはブルペン担当となり、マシソン、カミネロにつなぐ勝利の方程式の強化にあたる。スコアラーに転身する田畑投手コーチについて、鹿取GMは「(今季の)広島戦は3勝11敗。そこが5割ならこうなっていない。広島専従として対策をしっかりやってもらう」とリーグ連覇へ走る広島にターゲットを絞り、徹底分析させる構えを示した。

 一方、打撃部門には手を付けなかった。陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)の復帰や、開幕から不振だった長野が復調して得点力が上がっているとし、同GMは「現状のコーチで、より一層指導してもらいたい」と話した。借金6から上位浮上へ、大幅な配置転換は吉と出るか。

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