【神奈川】部員10人の相模向陽館 悲願の夏1勝

[ 2017年7月14日 05:30 ]

第99回全国高校野球選手権神奈川大会1回戦   相模向陽館11―8サレジオ学院 ( 2017年7月13日    大和 )

<大和・相模向陽館>9回に追加点となる適時打を放つ相模向陽館・東恩納
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 夏の青空の下、初めて勝って校歌を歌った。相模向陽館ナインは会心の笑みを浮かべ、スタンドへ勝利の報告に走る。10年に創部し、12年に夏の神奈川大会に初参加してから、ついにつかんだ夏1勝。本屋敷隆裕監督は「卒業生もよく連絡をくれて、その子たちの思いも持って戦っていた。うれしい限りです」と興奮気味に話した。

 多くの困難を乗り越えた。昨夏、3年生が引退してから部員6人で活動してきた。今春に1年生2人が加入。夏に向けて野球経験者の助っ人2人を加え10人で今大会の出場にこぎつけた。午前と午後の2部に分けて授業を行う昼間定時制高校。部員全員が集まって練習できるのは昼休みの1時間20分だけだ。

 3安打したアルゼンチン出身の父を持つ2年生の4番・東恩納(ひがしおんな)エステバンは「入学した時は午前の授業に出て、練習して午後5時から10時まで寿司店で働いていた。稼いだお金は全部家に入れた」と振り返る。それぞれの事情を抱えながら朝や放課後に個別練習したり、卒業生と練習試合を組むなどして練習を積んできた。その成果が出た。7―7の9回に4点を勝ち越し、20安打11点で打ち勝った。

 次戦は17日で第2シードの強豪・横浜隼人と対戦する。「ヒットを打って勝ちたい。楽しみ」と東恩納はキラキラと目を輝かせた。

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2017年7月14日のニュース