球児激白 救援陣の救援役に 精神的支柱担い「使いやすい駒になる」

[ 2017年7月14日 12:10 ]

大きな手のひらを広げ、タイガースへの思いを語った藤川
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 阪神・藤川球児投手(36)が13日、スポニチのインタビューに応じ、チームに対する熱い思いを明かした。今季もチームの精神的支柱として投手陣をけん引しており、救援陣の救援役としても貢献してきた。「タイガースのためにやっている」と、あふれる猛虎愛も披露。プロ19年目の大ベテランは、逆転Vへの勝負がかかる後半戦へ向けて「球児のホンネ!」を語った。(聞き手・山本 浩之、遠藤 礼)

 ――チームは79試合を消化。前半戦を振り返って。

 6月ぐらいまではブルペンの人員が、どの様に、どのポジションで収まっていくか、というところを見ながらやろうと思ってきました。その間に桑原という状態の良いピッチャーが出てきました。そういう部分では、ブルペン陣もうまく回ってきたと思います。

 ――個人としては。

 今も、そういう流れに合わせながらやっている段階ですね。

 ――周りのバランスを意識して動いているように見えるが。

 そうですね。こういう年齢ですしね。現状では、そういう物も求められるような状態ですしね。ピッチャー陣全体の疲労とか、メンタルな部分も含めてですが、自分がどういう状態に置かれても、常にしっかりとした精神状態にいることで、多少なりとも周りも心強いと思えるだろうと思うのでね。

 ――本当の救援投手。

 本質はそうなのかもしれないですね。

 ――表に出るタイプではない。

 マウンドに立てば、自然と前に出ないといけないですからね。マウンドに立てば前に出ているので、普段から張り切って前に出る必要はないですから。

 ――救援陣の中で救援役。

 チームのみんなが幸せになっていれば、それは結果がいいということですからね。

 ――前半戦は27試合に登板。ビハインドで登板する場面も多いが。

 いかに使いやすいような駒になれるか。ユニホームを着ている以上は、どこで使われようが、使われなくても、そこは一つの駒ですからね。

 ――ビハインドの展開は相手打線が乗っている状態。難しいポジションだと思うが。

 どこのチームを見ても(ビハインドで登板する投手は)入れ替わりの激しいポジション。それは当然であって。難しいこと。現状ではホールドもない状態。そういうポジションで1年間を投げきった投手はいないと思う。自分たちでは、どうすることもできない流れもある。逆に、何の数字もないところでやるのも、すごいことだとは思いますね。

 ――数字としては登板数と防御率ぐらいしか残らないポジション。

 正直、防御率だけで頑張っていたんですけど…。ちょっと自分の狙っていたところは無理かなと。そこはショックなところでもあるけど。ただ、それに対しても向き合っていかないといけない。

 ――プレー以外に求められていると感じる役割は。

 それは、わからないですね。だけど、自分のためにだけはやっていないですね。やっぱり、阪神タイガースのためにやっている。

 ――グラウンド内外でもチームのために働く意味は。

 何よりも一番大きな意味を持っていることは阪神タイガースのためだけにやっている。誰々のためにとか、何かのためにというよりは、阪神タイガースのためにやっている。そこから枝葉が生えて、ファンのためにとなる。タイガースと契約しているので、タイガースのために100%になることは当然。それが自分のためになるから。これまでも最終的には、そうなってきました。それを信じてやっているだけです。

 ――若手へのアドバイスなどグラウンド外での働きも目立つが。

 何かを考えて動いたことはなかったかなと。自分に直接ではなく、周りからそういうことを聞くと、自分はそういう役割をしていると逆に気づきます。

 ――今のチームでは数少ない優勝経験者。

 若いときの優勝の方が重要だと思いますね。その後を占っていくうえでも。ベテランになって優勝しても、あとは辞めることが見ているだけですから。次につなぐことはわからないでしょうしね。今、僕が若いときの方が重要だと考えているということは、その当時のベテランの方は、中心といわれるポジションを自分たちに任せてくれた中で、「なぜ?おまえらなんだ」とか、立場を犯すことなくやったからこそ、チームが一つになって優勝できたと思いますね。

 ――外国人選手とも積極的にコミュニケーションを図っている。

 誰とでも話していますよ。特に外国人選手はね。自分がアメリカに行ったときに受けたようなカルチャーショックであったりね。うまくいかないことだったりね。その経験が大きいのでね。そういう僕が経験したことは、させたくはないんで。

 ――唯一、外国人選手とのコミュニケーションは意図的に行ったと思うが。

 最初が肝心ですから。だから今は普通ですよ。今は、みんなととけ込んでいますし。今までにいない助っ人のような感じじゃないですかね。みんなが仲間で、尊敬しあっていますからね。

 ――後半戦に向けた意気込みは。

 シーズンの半分も過ぎて、ある程度のデータも出てきているわけですからね。これというものを信じて突き進むしかないですね。あとは、監督やコーチに任せてやるしかない。

 ――どういう駒でいたいか。

 自分で決めることではないので。与えられたところでやる。ケガしないよう、最高のパフォーマンスを出せるようにやるだけです。

 ――モチベーションは。

 最後までやりきるということですね。それだけですね。1シーズン、同じ気持ちでやりきるだけ。それは難しいことではないです。最初に決めてしまえば、動きやすいです。

 ――マウンドに行く際に藤川からのアドバイスが、プラスになっているとチームメートは言っていたが。

 それはすごく重要なんですよ。そこで少しでも的が外れたことを言うと、マウンドに行ったときに邪魔になるんですよ。例えば先頭に四球を出すなよとか。ブルペンにいる僕たちも邪魔してはいけないんですよ。ベンチは、その選手を信じて、その選手を出しているんですから。相手バッターに合わせて出したり、状況に合わせて出しているんじゃなく、もっと単純に考えれば、この場面は、このピッチャーで抑えられるだろうからと思って出すわけですから。ゲームは常に動いているので無駄な精神論などは言わないですよ。

 ――改めて、後半戦に向けて。

 精いっぱいにやりますよ。バックアップもします。ただ、それが自分の仕事ではないとは思います。たまたま役割が、そうなっているだけで。自分の仕事はマウンドに出て抑えることであって。誰かが故障したときにはサポートに回れるようにとか。それが本来のリリーフですからね。

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2017年7月14日のニュース