ヒゲの新守護神候補、阪神マテオ 日本一軍団を13球料理

[ 2016年3月4日 08:51 ]

<ソ・神>マテオ(右から2人目)は9回の1イニングを3者凡退に抑え、笑顔でハイタッチ

オープン戦 阪神3―3ソフトバンク

(3月3日 ヤフオクD)
 ひげ面のニューカマーが、日本一軍団を簡単に料理した。9回のマウンドに上がったのは新守護神候補の阪神・マテオ。本来の持ち場で登場すると、先頭の江川を必殺のスライダーで空振り三振。福田、金子圭も打ち取り、3者凡退。計13球、3分57秒の短い時間で締めオープン戦デビューを飾った。

 9回表に登板した昨季のパ・セーブ王のサファテと比べても、全く遜色なかった。ドーム球場はもちろん、ナイトゲームも来日初。沖縄よりもグッと気温が低い福岡でも抜群の安定感はキャンプ中と変わらなかった。

 「(初ナイターも)全然問題ないよ。シカゴの方がもっと寒いからね」

 福田には中堅へ良い当たりを打たれたが、この日最速の151キロの球威が勝り中堅・横田がキャッチ。「自分の投げたボールは悪くないと思うが、うまく打たれたね」と余裕の表情だ。最後の金子圭は変幻自在に曲がるスライダーを駆使し、一ゴロに仕留めた。

 来日してから3度目の実戦にして、早くも首脳陣の信頼を勝ち取っている。香田投手コーチは「彼は経験があるでしょ。左打者の外からのスライダーでストライクも取っていたし、打者が見づらそうにしていたね」と賛辞を並べた。テンポも制球も良く、ストレートは150キロ前後。加えて必殺のスライダーがあるのだから、現時点では注文を付けるところがない。

 同じドミニカ共和国出身のドリスや頼れる「先輩」の存在も、異国でも変わらぬ安定感につながっている。助っ人投手陣のリーダー的存在のメッセンジャーには、来日当初から日本式の練習の仕方や生活スタイルの助言をもらってきた。春季キャンプ中には、おすすめのメキシコ料理店に連れて行ってもらうなど、かわいがられている。

 良すぎるため、走者が出てからの投球がどうなるのか分からないのが不安材料と言えなくはない。ただ、ここまでの安定感なら、杞憂(きゆう)に終わりそう。トレードマークのひげ面が日に日に頼もしく見えてきた。 (山添 晴治)

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