“東都出身”ドラ1投豊作!原樹「負けたくない」今永刺激に快投

[ 2016年3月4日 06:15 ]

<D・ヤ>フォロースルーで右腕を体に巻きつけるように投げる原樹

オープン戦 ヤクルト2―1DeNA

(3月3日 横浜)
 ヤクルトのドラフト1位ルーキー・原樹理投手(22=東洋大)が3日、DeNAとのオープン戦に登板し、4回を4安打無失点と好投。これで2試合で計6イニング無失点となった。次回は12日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で5回程度を投げる予定。2日にはDeNA1位・今永昇太投手(22)が5回1安打無失点と好投したばかりで、大学時代からのライバルの存在を刺激に、開幕ローテーション入りを大きくたぐり寄せた。

 新人とは思えないマウンドさばきだ。原樹は2回1死二、三塁のピンチを自慢の「浮き上がるシュート」で後続を断つと、3回2死一、二塁では4番の筒香をカットボールで詰まらせて遊飛。4回まで3度先頭打者の出塁を許しながらも、本塁は踏ませなかった。

 「シュートやカットボールは自信になりました。きのう(2日)今永が抑えてプレッシャーはあった。いいライバルとして負けたくない」

 東都大学リーグでしのぎを削った今永の好投が、気持ちを奮い立たせた。前日の試合後、無料通信アプリ「LINE」で「ナイスピッチ」と送ると「あした頑張れよ」との返信があった。認め合う存在だからこそ「お互いに頑張って東都出身者がどんどん活躍できたら」と刺激にしている。

 ここ最近のブルペンは「最悪だった」という。前日の練習中、キャッチボール相手の小川に左足の上げ方を質問した。これまでは早く上げることで反動をつけていたが「しっかり右足に体重を乗せて投げた方が体全体を使える。俺は反動をつけずにやっている」と助言され、即座に実践。ヤクルト攻撃時は今永の投球を見つめたが、DeNA攻撃時は鏡に向かってシャドーピッチング。「ぶっつけ本番ですが、やってみようと思った」と、この日は全てセットポジションから「ライアン直伝」の左足をゆっくり上げるフォームで、4回を無失点と好投した。

 3兄弟の末っ子は自身も認める甘えん坊。誰にでも臆せずアドバイスを求め、特に3学年上の小川(泰弘)をプライベートでは「やっくん」と呼ぶほど懐いている。一見クールな外見とは違ったギャップで、先輩たちから可愛がられている。

 オープン戦の連敗を5で止め、初勝利を挙げた真中監督は「内容のある投球で落ち着いて見ていられた」と高評価。開幕ローテーション入りが近いか問われると「そう思います」と話し、開幕2カード目となる阪神戦(神宮)でのデビューも現実味を帯びてきた。今永に負けないほど、原樹の株も日に日に上がっている。(町田 利衣)

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