阪神ドラ1高山 OP戦デビューで初安打初打点 サファテにも粘った

[ 2016年3月4日 06:01 ]

<ソ・神>6回2死二、三塁、高山はショートへ適時内野安打を放つ

オープン戦 阪神3―3ソフトバンク

(3月3日 ヤフオクD)
 阪神のドラフト1位・高山俊外野手(22=明大)が3日、ヤフオクドームのソフトバンクとのオープン戦に初出場し底知れない可能性を示した。幸運な初安打で初打点をマークし、最終打席では結果こそ出なかったが、日本一の守護神と言っていいサファテの150キロ超えの速球、高速フォークに対応した。

 底知れないポテンシャルを感じさせた。9回、先頭で打席に向かった高山を待ち受けていたのは、昨季、ソフトバンクを日本一へ導いた絶対的守護神のサファテ。並のルーキーなら完敗を喫して当然だが、黄金ルーキーはやはり違う。最後まで抵抗して本気にさせ、あすへの光を見いだした。

 初球151キロ速球をいきなりファウル。続く154キロは空振りしたが、フォームは崩れない。152キロ、153キロを続けてファウルし、サファテも若干、いらついた。5球目は外角低めの140キロフォークを見逃し、最後は138キロフォークにニゴロに倒れたが、対応力の高さをあらためて見せつけた。

 「打てなかったですけど、最終回は僕からだったので塁に出ていたら試合も変わっていたと思う。ああいうピッチャーから打てるようにしたい。結果が出るも出ないも全て成長だと思う。打っていない打席も経験」

 すべては来たる時への準備と言っていい。超一流と呼ばれる投手を打たないと未来が開けないことを高山は分かっている。だからこそ、悔しい言葉も出た。

 思いは金本監督も同じだろう。猛虎を背負って立つ打者になれると見込んだ素材。一瞬たりとも無駄にしてほしくない。貴重な経験を積んだことに笑みを浮かべる一方で、課題も挙げ、さらなる成長を促した。

 「やっぱり、いい経験になったんじゃないかな。サファテも見た。150キロ台のストレートと140キロ台のフォーク。こういう投手を打てるように自分で工夫していかないと。いい投手は打てませんじゃダメなのよ」

 2月28日の紅白戦で打順を飛ばして回ってきた打席でランニング1号を記録。初のオープン戦でも“持ってる男”ぶりは健在だった。6回2死二、三塁で加治屋と対峙(たいじ)し遊撃へのゴロも遊撃手がもたつく間に先に一塁に到達しオープン戦初安打。適時打となって初打点もマークし同点を呼び込んだ。思えば、最終打席も8回2死からの打席で代走・荒木の二盗失敗があったからこそ、サファテとの対戦も実現した。

 試合前の打撃練習では敵陣からも鋭い視線を向けられ、試合でも3万人近い観衆が詰めかけたが「(視線は)気にならなかった」とさらりと言ってのけた。多くの経験を積み、黄金ルーキーが開幕スタメンに向け、歩を進めていく。(柳澤 元紀)

続きを表示

この記事のフォト

2016年3月4日のニュース