“神走塁”の地で采配、東北福祉大・大塚監督 18三振敗退に雪辱誓う

[ 2015年11月13日 22:11 ]

<神宮大会1回戦 立命大・東北福祉大>6回のピンチにマウンドへ向かった東北福祉大・大塚監督(左)

明治神宮大会大学の部1回戦 東北福祉大0―1立命大

(11月13日 神宮)
 伝説の“神走塁”の大塚が神宮に帰ってきた!神宮大会が13日開幕、大学1回戦で今年7月から監督に就任した大塚光二(48)率いる東北福祉大が立命館大と対戦した。

 大塚といえば西武のバイプレーヤーとして活躍、俊足好打で黄金時代を支えてきた。そして1992年の日本シリーズ。ヤクルトと対戦した第6戦に大塚の見せ場はやってきた。1点を追う9回2死。四球で出塁した大塚は秋山の右中間への単打で一挙に本塁へ。古田のタッチをかいくぐり左手でベースを触って同点劇を演出した。その思い出の地、神宮に監督として全国デビュー。常にベンチ中央に立ち、選手の先頭に立って立ち向かった。

 しかし相手は巨人のドラフト1位桜井俊貴投手。6回に失った1点が重く、打線は毎回の18三振を喫し零敗。さすがの元気印大塚監督もうなだれるしかなかった。

 「ストライクゾーンをちょっと上げて狙っていったんですが、いいところから落ちる球があったり、キレがすばらしかった。三振いくつですか?えっ?18個!そんなに三振しちゃいましたか。それじゃあ(桜井を)乗せちゃいましたね」

 試合後の会見で大塚監督は大会タイ記録の数字に仰天。それでも選手の健闘を称え、報道陣に深々と頭を下げ「お世話になりました」と球場の階段を昇った。そのまま外に出るのかと思えば、連盟事務所にわざわざ立ち寄り「ありがとうございました」とここでも頭を下げる。球場外に出れば出たで関係者に「勝たせられなくてすみません」。人柄がにじみ出るシーンだった。

 「今の選手は怒ってはダメ。でも怒らないとダメ。難しいですよ。まだ遠慮がボクにもありましたかね。少しずつボクの色を出しながら強いチームを作って、またここに戻ってきたいです」

 外はすっかり暮れた神宮球場。背番号50を背負ったルーキー監督は、雪辱を誓ってバスに乗り込んだ。

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2015年11月13日のニュース