【中畑清氏観戦記】ミスを全員でカバー、チームの成長感じた

[ 2015年11月13日 10:00 ]

<ドミニカ共和国・日本>試合前、山崎康(左)と小久保監督(右)を激励する中畑氏

プレミア12予選ラウンドB組 日本4―2ドミニカ共和国

(11月12日 台湾・桃園)
 今季までDeNAの監督を務めた中畑清氏(61)が、侍ジャパンの戦いぶりを現地・台湾で追った。04年アテネ五輪では、長嶋茂雄監督に代わって日本代表の指揮も執って銅メダルを獲得。国際舞台の厳しさを知る中畑氏が、スポニチ紙面に観戦記を寄せた。

 俺も一緒に戦っている気持ちになったよ。中田の決勝打の時は「よっしゃあ!」って言っちゃった。小久保監督の笑顔もうれしかったねえ。普段は結構、感情を抑えるタイプ。日の丸を背負うというのは本当に重い。俺もアテネ五輪ではあっという間に4、5キロ痩せた。そんな重圧をはねのけての勝利。日本の底力を見せてもらった。

 全員でカバーする。そんな姿勢が何より素晴らしかった。7回。筒香が目測を誤った打球が二塁打に。直後に小川が同点2ランを被弾。そんな筒香に声を掛け、決勝打を放ったのが中田だった。四球で出塁して生還した筒香も、本当に助けられたんじゃないかな。ミスをカバーし合って、相手に主導権を渡さない。一試合一試合、チームとして成長しているのが伝わってくるね。

 山崎康も頼もしかった。直球の走り、ツーシームの落差…。今シーズンの一番良かった時の姿がダブって見えたよ。あとは松井裕のように、抑えを任されるシーンも見てみたいな。

 俺は侍ジャパンの応援団長。きょうもメーカーの方に用意してもらった、チームの公式ネクタイを締めて観戦した。その戦いぶりを、最後までしっかり見届けたいね。 (前DeNA監督)

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2015年11月13日のニュース