選手・由伸引退 憲伸と松井氏が成長の原動力に

[ 2015年10月27日 05:30 ]

意欲にあふれた表情で就任会見する高橋監督

巨人・高橋監督就任会見

(10月26日)
 選手・高橋由の表情は晴れやかだった。巨人新監督就任と同時に、18年間の現役生活にピリオドを打った。「引退の線をどこで引けばいいのか迷いがあった。その迷いを振り切る意味でも、来季から監督を務めるのは大きな出来事になった」と率直な思いを口にした。

 ここ数年は常に「引退」を覚悟していた。麻衣夫人と2人の娘にその決断を伝えると「すぐに受け入れてくれた。ただ、子供は“来年からはもうバット振らないんだ”と言ってたみたい」と少しだけ寂しそうに笑った。

 2人の「ライバル」が奮起する原動力だった。慶大時代から何度も対戦してきた中日・川上、1歳年上で98年から5年間、同僚だった松井秀喜氏だ。「川上との対戦は僕自身を大きく成長させてくれた。松井さんはずっと隣で見て学ぶことができ、大きな成長につながった」と振り返った。

 1年目の98年4月、プロ初打席の中飛と本拠初アーチとなる右越えソロが忘れられない。「自分の目から映った光景はいまだに残っています」。打席に入る際は誰よりも大きな歓声が降り注がれた。「東京ドームの満員の中でグラウンドに立つ。こんな幸せなことはないと引退してさらに思いました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」。ファンに愛されたスーパースターが、感謝の思いを胸にバットを置いた。 (青木 貴紀)

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