由伸新監督への期待 強い意志で監督として「非情な決断」を

[ 2015年10月27日 09:50 ]

Gの球団旗を背にポーズを決める高橋監督
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巨人・高橋監督就任会見

(10月26日)
 爽やかで優しげな風貌とは異なり、意志は強い。正しいと思えば、自らの行動で困難を切り開くことで、人望を集めていく。取材を通じて感じた「由伸像」だった。

 巨人を逆指名した97年11月。自らの後継者として「三塁コンバート」を希望した長嶋監督だったが、慶大時代から慣れ親しんだ右翼にこだわり、指揮官を心変わりさせた。広澤(現スポニチ本紙評論家)との定位置争いが注目された98年宮崎キャンプ初日、故武上打撃コーチに「モノが違う」と舌を巻かせた。ミスターが命名した愛称・ウルフを「似合わないでしょ」と苦笑いしながら、スター街道をまい進した。

 不動の地位を固めても、チームの勝利だけを求める姿勢に変わりはない。打球を追って外野フェンスに激突し、右鎖骨骨折に見舞われた99年オフ。「同じ場面になったら」と私の意地悪な質問にも「捕りにいきます」と即答。結局、度重なる故障で通算2000安打はかなわなかったが「後悔はありません」と話した。

 コーチ陣に二岡ら同世代も入閣する方向。由伸の現役時代を直視してきたからこそ全力でサポートする。周囲は指導力を不安視するが、監督として非情な決断さえ下せれば、新巨人軍の礎は固まっていくと思う。(北海道総局長・伊藤幸男=元巨人担当キャップ)

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