由伸監督「やはり阿部…」“強い巨人”キーマンは生え抜き5人衆

[ 2015年10月27日 05:38 ]

Gの球団旗を背にポーズを決める高橋監督
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巨人・高橋監督就任会見

(10月26日)
 巨人・高橋由伸新監督(40)が26日、東京都内のホテルで就任会見に臨み、常勝軍団の再建を誓った。契約期間は3年で、背番号は現役時代と同じ「24」。18年間の現役生活に別れを告げ、来季は12球団最年少監督として指揮する。会見では来季の巻き返しへ打力強化を掲げ、阿部慎之助内野手(36)、坂本勇人内野手(26)ら生え抜き選手に奮起を求めた。若き指揮官が、野球賭博問題などで逆風に立つ伝統球団の立て直しに挑む。

 真っすぐな視線から、並々ならぬ決意が伝わってきた。第18代指揮官に就任した高橋新監督は、詰めかけた155人の報道陣の前で心境を口にした。

 「強いジャイアンツをつくっていかないといけない。そのために、しっかり選手を見て、新しいジャイアンツをつくらないといけない」

 与えられた課題は常勝チームの立て直し。明確だが、生やさしいものではない。リーグ4連覇を逃したチームの敗因はリーグ最下位の打率・243に終わった打撃陣の不振。12球団最年少の指揮官は「大きな敗因の一つ。まずは打撃陣を、というのは思っています」と述べた。投手陣もさらなる向上が求められる。そのため新監督は選手の具体名を挙げ、発奮を促すメッセージを送った。

 「やはり阿部、長野、坂本、菅野、内海。この辺が中心になっていかないと、なかなか強いチームはつくれない。彼らには頑張ってもらいたい」

 兼任コーチを務めた今季まで他のコーチ陣らに配慮して積極的なコメントは避けてきた。監督となった現在は、チームを率いる上でも明確なメッセージが求められる。そんな中、最初に新監督の口から出た言葉は、投打の主力である生え抜き5選手に対してだった。

 背番号は変わらない。入団以来18年間背負い続ける「24」に決まった。球団側は現役時代のイメージを大切に、これまでの交渉の席で提示。高橋新監督も「若いことでいい部分もあると思う。そういうものを出していければ」と喜びとともに受け入れた。現役時代と同じ背番号をつけるのは、球団では00、01年の長嶋茂雄監督以来となる。

 20日に監督就任を要請され、3日で受諾した。その真意を「チームは来季に向けて動いているし僕自身もやはり“(監督を)やろう”という気持ちがあった」と明かした。25日には昨年他界し、千葉県内に眠る父・重衛さんの墓前にも報告。「現役引退の報告と、来季から監督をやるという報告をしてきました」。野球を始めるきっかけとなり、幼少期には日が暮れるまで練習に付き合ってくれた父に、感謝と報告の手を合わせた。

 入団時の監督であった長嶋終身名誉監督、原辰徳前監督、ソフトバンクの王貞治球団会長や球団OBの松井秀喜氏。名だたる先輩たちにも背中を押された。「大変重い、凄く責任のある役割。先輩たちがつくりあげた伝統を守りつつ、自分らしさも出しながら覚悟を持ってまい進していきたい」。新監督としての始動は28日の秋季練習。その第一歩に、注目が集まる。(大林 幹雄)

 ≪過去3人だけ≫巨人で現役時代と同じ背番号で指揮を執った監督は61~64年川上哲治(16番)、84~88年王貞治(1番)、00、01年長嶋茂雄(3番)がいる。また、他球団の監督では、73~78、90、91年に金田正一(ロ)が34番、88、89年に村山実(神)が11番、01~05年に山本浩二(広)が8番をつけた例などがある。

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