ヤクルト山田「びっくり」 空港でバッタリ中畑氏から打撃指導

[ 2015年10月27日 05:55 ]

空港で中畑氏(右)に偶然出会った山田は打撃のアドバイスを受ける

 ヤクルトの山田哲人内野手(23)が27日から本拠地に舞台を移して行われる日本シリーズ第3戦での巻き返しを誓った。この日、福岡空港から航空機で帰京したが、同空港でDeNAの中畑清前監督(61)から、本来の打撃が影を潜めている点を指摘された。2試合で7打数1安打でチームも連敗。本拠地に戻り、打棒復活と反攻への1勝を目指す。

 連敗の中、打線が2戦で挙げた得点はわずかに2。第1戦の敗色濃厚となった9回に出た畠山の左越え2ランだけに終わった。強力打線が影を潜めている打線の中で、鍵を握るのはやはりこの男だ。杉村チーフ打撃コーチは「山田が打つことがチームの一番の薬」と期待。山田も「ホームに帰るので多少は有利になると思う。勝ちたい。真中監督がいつも言っているように前向きにいくしかない」と第3戦へ視線を向けた。

 杉村チーフ打撃コーチは「山田は(調子は)もうひとつだが、神宮に帰ったらティー打撃も含めて通常のルーティンができる」とも言った。今季のヤクルトは神宮で44勝22敗1分け、勝率・667と圧倒的な強さを見せた。打率・373、23本塁打と打ちまくった山田は「神宮に戻るとやっぱり落ち着くし、集中できます」。自らの庭で戦えるアドバンテージを最大限に生かす。

 この日、福岡空港の出発ロビーでは「てっと!」と予想外の人間から声を掛けられた。声の主はDeNAの中畑前監督だった。椅子に座った先輩の言葉に何度もうなずく光景は約3分間にわたった。「これまであいさつ程度だったので、びっくりしました。気にかけてもらってうれしい。参考にさせてもらいます」。山田によると、アドバイスの内容は(1)高めに手を出しすぎていること(2)もう少し上から球を叩くこと――だという。2試合で7打数1安打。第2戦の4回に右前打を放ったが、安打狙いのコンパクトなスイングだった。6度の凡退も全て平凡な飛球に終わっていた。

 中畑前監督にとっては歯がゆかったのかもしれない。第2戦ではテレビのゲスト解説を務めたが、今季、DeNA戦で打率・404、8本塁打した驚異的な破壊力が影を潜めていた。「引っ張らずに逆方向を意識しすぎて打たされている。しっかり振っていないから力負けしてポップフライになる」と分析。「相手からすれば全く怖くない」と語った。

 かつての敵将からもらったアドバイス。セ・リーグの代表として、山田も気持ちを新たにした。

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