【沢村賞選考過程】該当者なしの声も…完投数除く6項目クリアで選出

[ 2015年10月27日 09:50 ]

沢村賞を受賞し、笑顔の前田健

 選考会は約1時間に及び、難航した。候補に挙がったのは前田健、ジョンソン(広島)、藤浪(阪神)、マイコラス(巨人)、大谷(日本ハム)、涌井(ロッテ)の6人。その中から前田健、藤浪、大谷の3人が最終候補に残った。

 ただ、その3人の成績を比較しても、堀内委員長が「どんぐりの背比べ。突出した人がいない」と評したように、各投手ともに決め手を欠き、同委員長は「該当者なし」を主張。しかし、他の選考委員から「今年のベスト1ということで選びましょう」との意見が寄せられ、選考基準7項目のうち完投試合数を除く6項目をクリアした前田健が最終的に全会一致で選出された。前田健は10年に続く2度目の受賞となったが、同委員長は「10年とほぼ同じ成績。力のある投手なので、本来はもう少し上積みが欲しかった」と注文も忘れなかった。

 落選組には、「藤浪は奪三振、完投が多く、沢村さんのイメージに最も近い」(平松委員)、「大谷のパ・リーグ3冠という部分は評価すべき」(山田委員)と論評があった。

 <選考委員>堀内恒夫(委員長)、平松政次、山田久志、北別府学、村田兆治(所用で欠席)=敬称略=

 ▽沢村賞 プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成した伝説の大投手、故沢村栄治氏(巨人)を記念し1947年に制定。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる賞で2リーグ分立の50年からはセ・リーグの所属投手だけが選考対象となり、89年から両リーグに拡大。選考基準は(1)15勝以上の勝利数(2)150奪三振以上(3)10以上の完投試合数(4)防御率2・50以下(5)200投球回以上(6)登板25試合以上(7)6割以上の勝率、の7項目。加えてチーム勝利への貢献度、連勝連敗、プロとしての品格なども選考に加味される。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。

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