柳田が今季初欠場…松中7番・DHで2年ぶり先発も3打数無安打

[ 2015年9月28日 05:30 ]

<ロ・ソ>試合前のノックには参加せずベンチで見守る柳田。右は松中

パ・リーグ ソフトバンク1-3ロッテ

(9月27日 QVC)
 残念!ソフトバンクは27日、ロッテとの最終戦に敗れ、リーグ初のホーム&ビジター完全勝ち越しを逃すとともに今季初の2カード連続負け越しを喫した。柳田悠岐外野手(26)が26日の死球の影響で欠場する中、松中信彦内野手(41)が「7番・DH」で2年ぶりのスタメン出場。千葉の鷹党から大きな拍手が湧き起こったが、3打数無安打に終わった。

 存在感は絶大だ。スタメン発表の場内アナウンスで「7番、指名打者、松中」とコールされると左翼席に陣取った千葉の鷹党がどよめいた。

 先発出場は13年4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来実に904日ぶり。練習中、ベンチ裏で工藤監督から「(スタメンを)聞いた?頑張ってくれよ」とハッパをかけられた時点で41歳の顔は紅潮していた。

 しかし、現実は厳しいものだった。3回、先頭で迎えた第1打席は積極的に初球を狙ったが、ライナー性の右飛。2点を追う5回の2打席目は無死一、二塁のチャンスで回ってきたが、フルカウントから外角フォークに空振り三振。8回1死からの3打席目も二飛に終わった。

 「結果を出したかったけれどね。1打席目がヒットになってくれていれば、良かったんだけれど。結果が出ず、申し訳ない」。試合後、大勢の記者に取り囲まれた松中は無念さをにじませた。

 ただ胸の中は熱い気持ちで満ちあふれていた。打席に立つたびに耳に届く歓声と拍手。「3打席立たせてもらえ、関東のファンに喜んでもらえたのはありがたかった」。今季最後の関東、社会人時代を過ごした千葉での試合で精いっぱいの力は出し切った。

 「もう必死ですよ。悔いのないようにしたい。残り何打席あるか分からないけれど、福岡のファンにも元気な姿を見せたい」。21日に1軍昇格して以来7打席、いまだヒットはない。それでも、工藤監督は「今年初めての先発で全てに対応するのは難しい。打席の中では集中していたように見えた」と一定の評価を下し、今後も代打もしくはDHで試合起用することを明言した。

 通算1766安打。2004年には3冠王にも輝いたが、今季を含め過去3年は合計わずか5安打だ。今季、各球団で大物選手が続々と引退を表明する中、まだ進退を明らかにしていない松中だが、少なくともシーズンを全うする気構えだけは示した。(田中 貴久)

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2015年9月28日のニュース