明大・高山 高田繁に並ぶリーグ最多127安打「偉大な数字。自分が…」

[ 2015年9月28日 05:30 ]

<明大・早大>3回1死一塁、明大・高山は左前にリーグタイ記録の通算127安打目を放つ

東京六大学野球秋季リーグ戦第3週第2日 明大3-2早大

(9月27日 神宮)
 明大・高山俊外野手(4年)が27日、早大2回戦で2安打を放ち、通算127安打とし、明大の高田繁(70、現DeNAゼネラルマネジャー)が1964~67年に樹立したリーグ最多安打記録に48年ぶりに並んだ。1年春のリーグ戦デビューから通算98試合目での記録達成。今秋ドラフトの1位候補に挙がるヒットメーカーが、残り3カードで記録をどこまで伸ばせるか注目が集まる。

 2015年9月27日。1万人の観衆の前で、偉大な記録に手は届いた。初回に詰まりながら中前へ。3回の第2打席では初球を左前に流し打って127安打。ついに高田先輩に並んだ。

 高山 明治大学の重いブランドを背負っているので、1年目に比べたら成長したと思う。(127安打は)偉大な数字。自分を追い込むというか、モチベーションにしてやってきた。高田大先輩(の記録)は自分が超えなきゃいけないと思っていた。

 2012年4月15日。東大1回戦の8回無死一塁。入学したばかりの1年生・高山が代打で右前打を放った。記録への第一歩。春だけで20安打、秋も16本を積み重ねたが「何でこんなにバットが折れるんだろう」と木製バットへの対応には苦しんでいた。

 内側からバットを最短で振ることを意識して臨んだ2年生時。年間26安打したが、春秋ともに打率2割台だった。春の東大戦でベンチから外れる屈辱も味わった。「相手バッテリーが研究してきた」と、5大学との対戦が繰り返されるリーグ戦の壁に苦しんでいた。

 3年生になると、善波達也監督から打撃練習後に個別のティー打撃500本が課された。「監督のことが嫌いになるくらい、何でここまでと思った」。記録を後押しする監督の親心だった。春秋ともに打率3割を超え、秋の最終戦の立大4回戦ではリーグ史上最速で100安打に到達した。

 ドラフト1位候補に挙げられる中、最終学年を迎えた。相手バッテリーからマークされても、動じなくなった。春に17安打を放って残り10本で今秋開幕を迎え、5戦目で早くも到達した。

 その打撃に対する考えは独特だ。狙い球を絞ることはない。「追い込まれたら逆方向への意識を強くするくらい」と、基本的には全球種、全コースに対応する構えで打席に入る。高い技術でまだ3カードを残して記録達成。新記録は確実で「東都の記録は133安打(中大・藤波行雄)と聞いた。神宮記録を目指していけたら」と上を見据える。さらに入学以来達成できていない日本一を目指し、高山はバットを振り続ける。(川島 毅洋)

 ▼明大・善波達也監督 よく(記録に)届いたなと。ご両親にもらった強い体が素晴らしい。手がかかったけど、今はバットを振りにいけている。リズム良くタイミングが取れているから、スムーズに到達したと思う。

 ◆高山 俊(たかやま・しゅん)1993年(平5)4月18日、千葉県生まれの22歳。小1から野球を始める。七林中では船橋中央シニアに所属。日大三では1年秋からベンチ入り。春夏通算3度甲子園に出場し、2年春準優勝、3年夏に全国制覇。明大では1年春からベンチ入りし、1年春、2年秋、3年春秋、4年春にベストナイン。1メートル81、84キロ。右投げ左打ち。

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