霞ケ浦“6度目の正直”初V!145キロ右腕・綾部 完全救援!

[ 2015年7月25日 05:30 ]

<日立一・霞ケ浦>甲子園初出場を決め抱き合って喜ぶ・綾部(中)と斎藤(左)の霞ケ浦バッテリー

第97回全国高校野球選手権茨城大会準決勝 霞ケ浦2―1日立一

(7月24日 水戸市民)
 1メートル89の長身エース綾部の元に、霞ケ浦ナインが一斉に駆け寄る。08年から決勝で敗れること5度。歓喜の輪は野球部の悲願だった。「6度目の正直」で夏の甲子園初出場へと導いたのは、プロ注目の145キロ右腕の7回からの完全救援だった。

 「いつもより気持ちを前に出せた。みんなの思いを背負って、先輩の思いも受け継いで投げました。100点です」。最速は140キロ止まりだったが、角度ある速球に縦のスライダー、チェンジアップで打者9人から3奪三振。追加点を狙った8回に味方がスクイズを失敗しても「慌てることはなかった」と綾部。先発・安高との1安打完封リレーにも「打たれるとは思わなかった」と強い精神力も兼ね備えていた。

 「負の歴史」を逃げることなく全員で背負った。試合前に保護者が作製した約7分のビデオを見た。08年の常総学院戦、11年の藤代戦。いずれも甲子園まであと1球から、最後はサヨナラ負けを喫した。グラウンドに崩れ落ちた先輩の姿を目に焼き付けた。「これでみんなが奮い立った。過去の大会とは違う雰囲気があった」と高橋祐二監督。バレーボール部を3度全国大会に導いた指揮官も、01年4月から野球部を率いて初出場となった。

 綾部は08年の夏の甲子園の準々決勝、智弁和歌山―常葉学園菊川戦を観戦して、甲子園が明確な目標に変わった。「レベルが高くて感動した。目指してきた憧れの舞台に立てる」。今年の夏は新たな伝統を築く戦いとなる。 (倉橋 憲史)

 ◆霞ケ浦(茨城)1946年創立。レスリングやセーリングも強豪。

 ▼DeNA・河原隆一スカウト 綾部は速球だけでなく変化球も操れる。関東ではトップクラスの投手で、甲子園でも追いかけたい。

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2015年7月25日のニュース