日生3年ぶり8強!山本真が人生初満弾、廃部危機PLに“エール”

[ 2015年7月25日 05:30 ]

<西濃運輸・日本生命>6回2死、日本生命の山本真が左越えに満塁本塁打を放つ

第86回都市対抗野球第7日・2回戦 日本生命6―1西濃運輸

(7月24日 東京D)
 2回戦3試合を行い、大会最多となる57度目出場の日本生命(大阪市)は、1―0の6回に山本真也内野手(30)が満塁本塁打を放つなどして、2連覇を狙った西濃運輸(大垣市)に6―1で快勝。8強進出で97年以来18年ぶりの優勝に一歩近づいた。また、トヨタ自動車(豊田市)、王子(春日井市)もそれぞれ準々決勝進出を決めた。

 14年橋戸賞右腕・佐伯を打ち砕いた。1点リードの6回2死満塁。山本真は1ボールから真ん中のスライダーを見逃さなかった。豪快なフォロースルーでバットを高く放り上げると、打球は左翼席へ一直線。野球人生初の満塁弾に「一回くらい東京ドームで本塁打を打ちたいと思っていたので、それがいいときに出てくれた」と胸を張った。

 一振りに懸けていた。制球力に定評ある佐伯対策で「待っていると攻められる。先に攻めていく」をチーム全体で徹底した。山本真は1打席目で右前打も「甘い球がなくて厳しい球ばかりだった」が、6回は数少ない失投を一発で仕留めた。

 1メートル70と小柄だが、内野ならどこでも守れる万能選手。それでもPL学園―東洋大と学生時代は強豪に在籍しながら全国大会出場の経験はなかった。07年に日本生命入社後は9年間レギュラーとして活躍。12年アジア大会の日本代表にも選出されている。母校・PL学園は部員募集を停止するなど廃部の危機にある中で大阪大会を勝ち上がっているが、OBが大舞台で存在感を見せつけた。

 大会史上最多57度の出場を誇る日本生命だが、97年の優勝以降は「8強の壁がある」と山本真が言うように、16度出場して4強以上はない。昨年までの2年連続初戦敗退を含む7度が初戦敗退と低迷してきた。3年ぶりに8強進出した今大会こそ「壁」を打ち破る絶好のチャンス。「相手は気にせず、全員で倒しにいきたい。好投手が出てくる方が燃える」と話す勝負師が、快進撃の立役者となる。 (東尾 洋樹)

 ▼日本生命・清水(大会初先発で6回1/3を無失点の好投)去年の優勝チーム相手に負けたくないという気持ちで投げた。次も勝ちたい。

 ◆山本 真也(やまもと・しんや)1984年(昭59)8月6日、奈良県出身の30歳。PL学園―東洋大。大学では楽天・永井、オリックス・田中と同期。日本生命では1年目から主力として活躍して08、14年の日本選手権4強入りに貢献。14年は遊撃手で優秀選手も獲得。1メートル70、70キロ。右投げ右打ち。

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