小松大谷 星稜に逆転サヨナラ返し!8点差大逆転負けから1年…

[ 2015年7月25日 05:30 ]

<小松大谷・星稜>9回無死満塁、西田の左犠飛でサヨナラのホームを踏んだ清水(右)に駆け寄る大谷ナイン

第97回全国高校野球選手権石川大会準々決勝 小松大谷4―3星稜

(7月24日 石川県立)
 逆転サヨナラ返しだ。第97回全国高校野球選手権大会(8月6日から15日間、甲子園)の地方大会は24日、33大会で94試合が行われた。石川大会では小松大谷が準々決勝で星稜と対戦し、9回に4点を挙げて逆転サヨナラ勝ち。昨夏決勝で9回に8点差を逆転されてサヨナラ負けを喫した相手に雪辱し、30年ぶりの甲子園へあと2勝とした。25日は35大会100試合が行われ、南北海道大会など9大会で決勝が行われる。

 どんなに劣勢でも諦めない。あの屈辱を経験しているからこそ、小松大谷ナインは踏ん張れた。

 「何があるか分からないことは、自分たちが一番知っている」。1年前も正捕手だった下口主将はそう言い、「諦めるな!」とベンチで何度も叫び、ナインを鼓舞し続けた。昨夏決勝で8―0で迎えた9回に星稜に9点を奪われ、大逆転サヨナラ負け。今年は0―3で9回を迎えた。下口主将が突破口を開いた。

 先頭で左翼線二塁打。昨夏決勝と同じ舞台、石川県立野球場の雰囲気が一変した。1年前は星稜の主将が先頭で四球を選び、出塁した。「昨年は(相手の)主将が出塁して勢いが出た。主将として何かしようという気持ちだった」と下口。四死球で無死満塁とした後、清水の遊撃内野安打で1点を返し、代打・瀬堂の中前2点打で同点に。最後は昨夏もレギュラーだった西田のサヨナラ左犠飛で終止符を打った。

 下口主将、西田をはじめ、先発の木村ら5選手は昨夏の屈辱を味わった。悔しさを肌で知るからこそ、新チーム立ち上げ後のミーティングで「甘さがあった。それを排除しよう」と話し合った。大逆転サヨナラ負けを報じた新聞を拡大コピーして室内練習場に貼った。屈辱を忘れないためだ。冬場は1日1000スイングをノルマと課した。さらに、朝練習の後は部員全員で校内と校門前の坂道の清掃を自主的に行うようにした。人間として成長するためだ。

 迎えた因縁の星稜との準々決勝での再戦。先攻・後攻を決める時、下口主将は迷わず後攻を選択し、先攻で敗れた昨年と逆の結果にした。先発の木村も7回2/3を3失点と踏ん張った。1年前は9回に2点を返された後に救援し、星稜の勢いを止められなかった。「苦しい思いで努力してきたことは間違いでなかった」。笑みがこぼれた。

 西野貴裕監督は「自分たちのやるべきことをやろうと言って臨んだ。うれしいですよね」と目を細めた。悪夢を振り払い、30年ぶりの夏の甲子園まであと2勝。ライバル・星稜の分まで、勝つ。

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