PL学園 初戦コールド発進も“逆風”環境依然厳しく…

[ 2015年7月19日 05:30 ]

<PL学園・登美丘>草野監督(左)に代わりサインを出す奥野

第97回全国高校野球選手権大阪大会2回戦 PL学園9―2登美丘

(7月18日 南港中央)
 大阪大会では、PL学園が2本塁打などで9点を奪って7回コールド勝ちし3回戦進出した。

 春夏合わせ7度の全国制覇を誇る名門が、逆風の中で好スタートを切った。中田、辻に一発が飛び出すなど9安打9得点で登美丘に7回コールド勝ち。2代続けて校長が監督を兼務する異常事態で迎えた夏の初戦。4月から指揮を執る草野裕樹校長(64)は「目の前の試合に集中するだけ。全国優勝を目指したい。目標は高く持つべき」と言い切った。

 今春の新入部員受け入れを停止するなど取り巻く環境は依然として厳しい。加えて、試合後に草野校長は16年度の部員募集についても「来年4月も受け入れはない」と初めて明言した。富田林市内の同校にある老朽化したスコアボードや、かつての野球部寮「研志寮」、雨天練習場などは今秋をメドに取り壊しとなる方向。さらに、野球部専用グラウンドは教団から返還を求められており「そういう計画がある」と現状を明かした。

 チームの屋台骨を支えてきた深瀬猛ヘッドコーチ(46)と投手担当の明石俊二コーチ(49)も7月末での退任が決定。実質的な指導者は教員の千葉智哉コーチだけになる。3年生部員21人が抜けると、2年生部員は12人しか残らない。謝名堂主将は「勝たないことには次へ進めない。2年生のためにも」と言葉に力を込めた。

 13年2月に起こった部内暴力で当時の監督が退任、6カ月間の対外試合禁止処分が科された。今の3年生は入学直後からずっと正監督不在の中で野球を続けてきた学年だ。「3年間の集大成。優勝して甲子園に出場したい。3年間指導してくださったコーチにも恩返しがしたい」(同主将)。高校野球100年の節目を迎える今夏。聖地で数々のドラマを演じてきたPLが一丸で6年ぶりの代表切符をつかみにいく。(吉仲 博幸)

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2015年7月19日のニュース