青木が止まらない!2戦連続4安打 イチロー以来日本人2人目

[ 2014年9月18日 05:30 ]

<ロイヤルズ・ホワイトソックス>3回、生還した青木(左)(AP)

ア・リーグ ロイヤルズ5―7ホワイトソックス

(9月16日 カンザスシティー)
 ロイヤルズの青木宣親外野手(32)が16日(日本時間17日)のホワイトソックス戦で、日本時代にも経験のないプロ初の2試合連続4安打をマークした。日本選手では06年のイチロー(当時マリナーズ)以来、8年ぶり2人目。チームは5―7で敗れたが、地区首位タイガースも敗れたため、ゲーム差は1・5のまま。絶好調の頼れるヒットマンが、19日(同20日)からの直接対決3連戦に向け調子を上げてきた。

 青木のバットが止まらない。1点を追う3回無死一塁からバットを折りながら右前打。逆転を呼び込むとさらに加速した。4回に左前打。同点の6回1死二塁では、一時勝ち越しとなる中前適時打を放った。さらに2点ビハインドの8回2死からは4安打目の中前打で出塁し、どこまでも突破口を探った。

 「凄く感触も良くなったし、自分の思った通りにバットが出ている。この状態を続けたい」

 前日の4打数4安打に続く固め打ち。好調の要因は試合前のルーティンにあった。「しっかり呼び込んで打つために」と2週間ほど前から、ティー打撃をメニューに加えた。斜め前方から下手でトスされた球を打つティー打撃は、日本ではありふれたメニューだが、実は米国ではほとんど見られない。代わりに数メートル先のケージ陰の正面から、緩く投げられた球を打つのが主流。ブルワーズ時代には周囲にならい、青木もあえて行ってこなかった。それが、同僚のペレス、ホスマーらがティー打撃を行い始めたため、青木も取り入れた。

 元来、青木は球を呼び込んで見極め、中堅から左翼への反対方向への強い打球が持ち味。少年時代から染み込んでいたメニューでフォームを確認し、この日も中堅2本、左翼へ1本と強打した。9月は月間打率・396と好調で、外野への14安打中、約8割の11本が中堅、左翼へのものだ。

 スタンドには母・香澄さん(62)の姿があった。故郷の宮崎から前日にカンザスシティー入りしたばかり。長旅の疲れの色も見せず「いつも陰で努力しているのを知っている。ぜひ優勝してほしい」とエールを送った。だが、救援陣が踏ん張れず敗戦。青木も「取れなかったのは悔しい」と唇をかんだ。首位タ軍とのゲーム差1・5は変わらず、19日(日本時間20日)からは本拠地で直接対決3連戦が待つ。85年以来29年ぶり地区優勝へのしのぎ合いも最後の直線。青木のバットが一番の頼りだ。

 ≪8年ぶり≫日本選手が2試合連続4安打を記録するのは、06年6月6、7日のツインズ戦でのイチロー(当時マリナーズ)以来8年ぶり2人目。イチローはメジャー記録であるシーズン262安打を放った04年にも、7月20日のレッドソックス戦、21日のアスレチックス戦、9月21、22日のエンゼルス戦で2試合連続4安打(9月21日は5安打)をマークしている。青木はヤクルト時代に「4安打―3安打」は4度あるが、2試合連続4安打は日米通じて今回が初。

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2014年9月18日のニュース