岩隈 マリナーズ残留決めた!“早々”に契約延長条件クリア

[ 2014年8月10日 05:30 ]

<マリナーズ・ホワイトソックス>10勝目を挙げた岩隈は笑顔を見せる(AP)

ア・リーグ マリナーズ4―1ホワイトソックス

(8月8日 シアトル)
 マリナーズの岩隈久志投手(33)が8日(日本時間9日)、ホワイトソックス戦に先発し、7回を5安打1失点に抑え、2年連続の2桁勝利となる10勝目を挙げた。今季の日本投手では田中将大(25=ヤンキース)、ダルビッシュ有(27=レンジャーズ)に次いで3人目。岩隈は契約期間の2シーズンで350投球回に到達し、球団側が持つ3年目の契約延長の条件をクリア。節目の白星で来季もマ軍でプレーすることを決めた。

 This is IWAKUMA。粘りと制球力が身上の男が、らしさ全開の投球を見せた。

 「きょうは変化球も全部悪かったけど、何とか粘り強く投げられた」

 試合前のブルペンから「調子は良くない」と自覚していた。だから、初回から5回まで毎回走者を背負うピンチの連続にも動じることはなかった。4回には5番ビシエドに先制ソロを浴びた。外角低めいっぱいのシンカー。それでも「事故みたいな感じでしようがない」と失点を引きずらない。さらに捕手ズィニーノと話し合い、宝刀スプリットの制球に難があると判断。中盤以降、スライダーやカーブを使ってホワイトソックス打線に的を絞らせず、7回1失点で逆転勝利につなげた。

 無四球で無駄な走者を許さなかったことも大きい。今季は19試合に登板し、無四球試合は実に11試合目だ。与四球率(9イニングあたりの与四球数)は、0・75で両リーグトップと、1試合1個にも満たない。四球の少なさが大ケガをせず、先発の役割を確実にこなす投球の基本となっており、ロイド・マクレンドン監督も「この世界で成功できる投手は、どんな状態でも試合をつくることができる」と絶賛した。

 右手中指の負傷で約1カ月も出遅れながら、2年連続の2桁勝利。それも8月上旬で早々と達成した。「(出遅れた中での)2桁勝てたのは自信になる」。そう喜びを口にした岩隈は、この試合で昨季からの2シーズンで350投球回に到達した。今季は2年契約の最終年。メジャー1年目を終えた12年オフに再契約した際、3年目の契約は球団側のオプションだった。その中に2年間で350投球回をクリアすれば、自動的に契約が延長される条項があり、今季年俸から50万ドル増となる年俸700万ドル(約7億1400万円)で来季もマ軍でプレーする権利を勝ち取った。

 マ軍を4連勝に導き、ワイルドカード争いではプレーオフ進出圏内で2位・ロイヤルズに0・5ゲーム差につけている。マ軍にとって13年ぶり、岩隈にとっては初めてのプレーオフ進出に期待が高まる。「やりがいを感じている。プレーオフ争いの中で貢献できるのはうれしいし、これからもどんどん勝っていきたい」。日本時代にも楽天を09年に初めてクライマックスシリーズに導いた。岩隈がいるチームは強くなる。

 ≪現在32勝≫岩隈は田中、ダルビッシュに続き10勝目。同一シーズンで日本投手3人の10勝以上は、99年(吉井12、野茂12、伊良部11)、02年(野茂16、石井14、大家13)、13年(岩隈14、ダルビッシュ13、黒田11)に続き、2年連続4度目。3人合わせたシーズン勝利数は02年の43勝が最多で、現在32勝の岩隈ら3人は上回ることができるか。

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