ソフトB塚田 プロ無安打でお立ち台 サヨナラ犠飛も「恥ずかしい」

[ 2014年8月10日 05:30 ]

<ソ・日>10回1死一、三塁、サヨナラ犠飛を放った代打・塚田(中央)は内川(右)らナインから祝福される

パ・リーグ ソフトバンク4-3日本ハム

(8月9日 ヤフオクD)
 3打席無安打の自分が上がっていいのだろうか。お立ち台。代打でサヨナラ犠飛を放ったソフトバンク・塚田は思わず本音を漏らした。

 「ボクまだ1軍に上がってヒットを打ってないんですけど、こんな形でヒーローインタビューを受けて恥ずかしい。でも、うれしいです」。プロ3年目。1日に出場選手登録されたばかりの伏兵はファンの歓声に戸惑いながらも、おちゃめな一面をのぞかせた。「下の名前は孫正義オーナーと一緒です。僕がホークスに入った理由を、友達に“おまえ、下の名前が孫オーナーと同じだから入ったんだろ”とめちゃめちゃバカにされました。でも、ようやく3年かけて1軍に上がって、皆さんの前でプレーできて幸せです」。大胆な発言に場内は再び沸いた。

 出番は延長10回1死一、三塁だった。マウンド上はプロ初打席で3球三振を喫した1日の日本ハム戦(札幌ドーム)の相手、宮西。「ボクが決めてやる!」と初球、真ん中高めのスライダーを叩いた。打球は中堅へと舞い上がり、サヨナラ勝ち。人生初の手荒い祝福が待っていた。

 プロ1年目はウエスタン・リーグの開幕戦に出場したが、6月に試合前のスライディング練習で負傷。右膝の前十字じん帯不全断裂および外側半月板損傷の重傷を負った。「ケガをしている時はテレビで試合を見ていて凄く悔しかった。でも、ケガしたからより真剣に野球に取り組むようになった」。昨年、2軍に復帰し、ようやくつかんだチャンスで見事期待に応えた。

 母・早苗さんの50回目のバースデーでの大仕事。それは、栗山監督への「恩返し」の一打でもあった。白鴎大1年、当時教授を務めていた栗山監督の「スポーツ健康科学」を受講していた。恩師の前で成長した姿を披露した若鷹に、秋山監督も「塚田くんはちゃんと仕事して良かったな」と称えた。中田の完封ペースから9回に追い付かれる悪い流れを絶ち切っての劇的勝利。2年ぶりの7連勝で貯金を25とした常勝軍団に、また新星が出現した。

 ≪パでは49年ぶり≫塚田(ソ)が延長10回サヨナラ犠飛でプロ初打点。今季サヨナラ打でプロ初打点は6月21日西武戦で嶺井(D)がサヨナラ三塁打を放ったのに次ぎ2人目。サヨナラ犠飛でプロ初打点は珍しく、81年8月20日大洋戦の柳沢(中)以来。パでは65年4月14日南海戦の下須崎(西鉄)以来49年ぶり。ソフトバンクでは前身球団を含め塚田が初めてだ。

 ◆塚田 正義(つかだ・まさよし)1989年(平元)7月23日、茨城県生まれの25歳。古河一から白鴎大へ進み、1年から主力として活躍。2年秋に打率、打点の2冠を獲得し、通算18本塁打は関甲新リーグ新記録。11年ドラフト3位でソフトバンク入団。1メートル77、76キロ。右投げ右打ち。

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