キヨシ感激「やっとできた」 8年ぶり巨人戦同一カード3連勝

[ 2014年8月8日 05:30 ]

<D・巨>完投勝利の三浦は右腕を高々と掲げる

セ・リーグ DeNA10-1巨人

(8月7日 横浜)
 ハマの番長が決めた!DeNAの三浦大輔投手(40)は7日の巨人戦に先発し、9回にソロを浴びて完封こそ逃したものの、昨年6月以来の完投で3勝目。チームを06年以来、8年ぶりの巨人戦同一カード3連勝に導いた。9安打を浴びながらも円熟の投球で無四球9奪三振。チームとしても今季の対戦成績を7勝6敗とした。苦手意識を完全に払しょくした中畑DeNAが真夏の上位戦線に食い込む。

 もう勝利は決まっていた。あとは、三浦が続投するかどうか。10―0の9回。背番号18がゆっくりとマウンドに向かって歩きだすと、ファンの大歓声が降り注ぐ。横浜スタジアムは、この日一番の盛り上がりを見せた。

 「凄い声援で鳥肌が立ちました。マウンドに上がるたびに声援が大きくなって、背中を押してもらいました」

 巨人戦の完封となれば、01年9月9日(大阪ドーム)以来、13年ぶり。しかし…。先頭の阿部に初球の直球を右翼席に運ばれた。それでも最後は2死一塁から131球目で小林を遊ゴロ。無四球完投勝利は12年7月17日のヤクルト戦(横浜)以来、2年ぶりだ。今季初めて本拠地のお立ち台にも立ち、試合後の表情は晴れ晴れとしていた。「意地だよ、意地」。23年目のコーチ兼任右腕が、熟練の投球で巨人打線を9安打1失点に封じた。

 今季は開幕から2度の2軍落ち。若手優先のチーム方針もあり、登板機会にも恵まれなかったが「直球の切れは失っていない」と自身の球には自信を持っていた。前回登板の7月27日のヤクルト戦(神宮)。三浦は8回1失点で2勝目を挙げた。148球を投げていたにもかかわらず、9回も続投を志願。中畑監督は「(勝ち頭の)井納に対する意地もあったんだろう」と話したが後日、三浦はポツリと漏らした。「意地を見せたかったのは井納に、やないんやけどね」。この日の完投は中畑監督に対してのベテランの意地だった。

 打線も4試合連続2桁安打となる16安打10得点の猛攻で、巨人戦では06年6月27~29日(横浜)以来、8年ぶりとなる同一カード3連勝を達成。指揮官は「チームの顔である大輔(三浦)が完投して、打線が大量得点。長いこと待った勝ち方。3年かかってやっとできた」と感慨深げ。就任当初は勝利への執念が希薄な選手の姿に、かつて在籍した巨人とのギャップを感じ「俺が変えられるのかな」と話したこともあったが、チームは確実に変わりつつある。

 後半戦7勝4敗1分けはリーグ首位で、1試合平均5・7得点もトップ。三浦は言う。「98年(のリーグ優勝時)もこんな感じでつないでいった」。自身も今季、初勝利は7月13日と遅かったが、そこから3戦3勝と調子を上げてきた。依然として5位だが、3位・広島とは5ゲーム差。悲願のCS進出に向け、40歳の右腕がチームを引っ張る。

 ▽DeNAの前回巨人戦同一カード3連勝 横浜時代の06年6月27~29日(横浜)。27日は那須野が内海に投げ勝ち、2―1で勝利。28日は門倉が完投し、9―3で大勝。29日はルーキー・山口が初登板初先発で5回2死まで完全投球。6回に失点して降板したが、3―1でプロ初勝利を挙げた。一方の巨人は、球団史上3度目の9連敗に加え、球団ワーストの月間18敗目を喫した。

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