阿部 大チョンボ 飛び出しタッチアップ生還より先に“併殺3アウト”

[ 2013年7月14日 06:00 ]

<中・巨>6回1死満塁、石井の中飛に二走・阿部(右)が飛び出し併殺

セ・リーグ 巨人0-1中日

(7月13日 ナゴヤD)
 敵地ナゴヤドームがドッと沸き、巨人ベンチはフリーズした。まさかの無得点。二塁ベース上では阿部が天を仰いでいた。1点を追う6回1死満塁。代打・石井の中飛で飛び出し、併殺となった二塁走者は0―1で敗れた責任を背負い込んだ。

 「俺の判断ミス。(打球が)抜けると思って一度、目を切ってしまった」

 先発・山本昌を降板に追いやった直後。原監督は2番手の右腕・中田賢に対し、左の代打・石井を送った。やや詰まったライナーが左中間へ飛び、三塁走者の坂本はタッチアップの体勢をし、中堅・大島がランニングキャッチ。ところが、二塁走者・阿部は三塁手前まで走っていた。送球が二塁に届く前に阿部は帰塁できずアウト。坂本は本塁を駆け抜けたが、二塁でのスリーアウトの成立が先と判定され、本塁生還は認められなかった。

 併殺が成立したとしても二塁走者・阿部のアウトはフォースプレーではないため、坂本の本塁生還が先と判断されれば同点だった。「(坂本の生還の方が)早いかなと思ったけど、すぐに審判がノーとやっていた」と川相ヘッドコーチ。そして「その前に飛び出しては…。ヒットと判断せずハーフウエーで(打球が)落ちたら進めばいい。判断ミス」と続けた。

 「やっぱり本人の判断ミスだね」。そう言った原監督は、もう一つ反省点を挙げた。同じ6回無死一塁から阿部の右前打で、一塁走者の坂本が二塁でストップ。「ライト(の守備位置)が深い状態でちゅうちょしているようでは、(阿部の)ああいうプレーも生まれる」。坂本の消極的な走塁が、阿部のボーンヘッドにつながったという意味である。結局、三塁に4度も走者を進めながら、拙攻続きで今季6度目の零敗。山本昌にも勝ち星を許した。連敗で6月下旬の同じ中日との3連戦(前橋、東京ドーム)以来、6カードぶりの負け越しが決まった。

 2位の阪神も敗れ、ゲーム差は2・5のままだが、前半戦最終カードの15日からの伝統の一戦を前に出たほころび。「申し訳ない」。阿部の苦悶(くもん)の表情が、ただの1敗ではないことを表していた。

 ▼巨人・石井 しようがない。抜けたとは思わなかった。ちょっと詰まっていた。犠牲フライで最低限かなと思っていた。

 <野球規則>4・09(a)規則説明 飛球が捕らえられたときにリタッチを果たさなかった走者に対して、守備側がアピールした場合、審判員がそれを認めたときにその走者はアウトになる。

 (例)1アウト走者一・三塁のとき、打者の右翼飛球で2アウトとなった。三塁走者は捕球後三塁にリタッチして本塁を踏んだが、一塁走者は二塁へ向かっていたので一塁に帰塁しようと試みたが、右翼手の送球でアウトになった。三塁走者はそのアウトより早く本塁を踏んでいた。――一塁走者のアウトはフォースアウトでないから、その第3アウトより早く本塁を踏んだ三塁走者の得点は記録される。

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2013年7月14日のニュース