沢村 同姓大先輩快投した伝説の地で完投負け

[ 2013年6月30日 06:00 ]

<ヤ・巨>7回1死三塁田中に勝ち越し打を打たれた沢村(左から3人目)

セ・リーグ 巨人1-2ヤクルト

(6月29日 静岡)
 悔しい1球となった。7回1死三塁で代打・田中浩。1ストライクから巨人の沢村が投じた内角127キロのスライダーは高めに浮いた。中前にポトリと落ち、勝ち越しの走者が生還。失投を嘆いた。

 「ここ(が勝負)というところだった。打たれた球は高かった」

 序盤も自らのミスに苦しんだ。初回無死一塁、上田の犠打を一塁へ悪送球。無死一、三塁のピンチを招き、さらに味方の失策で先制点を失った。打撃でも5回無死一、二塁でスリーバントに失敗。「もっともっと反省しないと」と猛省した。

 投球自体は良かった。140キロ台後半の直球を中心に攻めた。勝負どころとみた6回2死三塁ではギアを上げ、宮本に150キロ台の直球を5球続けて最後はスライダーで空振り三振に斬った。

 同じ姓を持つ偉大な先輩・沢村栄治が大リーグ選抜のベーブ・ルースらと対戦した草薙球場。その伝説の地では、1年目の11年4月28日のヤクルト戦に続き、2戦2敗となった。チームは連敗で2位・阪神に1・5ゲーム差。原監督は「勝負どころで沢村(らしさ)を出せるかどうか。そこが大事」ともう一段階のレベルアップを求めた。

 ▽沢村栄治の伝説の快投 沢村は34年の日米野球に最年少の17歳で参加。第10戦でベーブ・ルース、ジミー・フォックスら強打者をそろえた打線を相手に、球威のある直球と落差の大きいカーブを武器に4連続を含む9奪三振をマーク。7回にルー・ゲーリッグに決勝ソロを被弾して0―1で敗れたが、8回5安打1四球1失点で完投した。ルースは「試合を重ねるごとにうまくなる」と沢村を称賛した。

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2013年6月30日のニュース