石井涙の引退登板 3球三振斬りでプロ初“お立ち台”

[ 2011年10月26日 06:00 ]

<ヤ・広>家族から花束を受け取る石井

セ・リーグ ヤクルト2-1広島

(10月25日 神宮)
 ついにこの時が来た。1点を追う7回、プロ16年目のヤクルト・石井が引退登板に臨んだ。広島・松本への初球は131キロ直球。02年に記録した日本人左腕最速155キロには24キロ及ばない。最後はこん身の137キロ直球で3球三振。大粒の涙がこぼれた。

 「1球投げるごとに終わると思ったら涙が…。満足です。何の悔いもない。やることやって自分で決めて、5年間もリハビリをさせてもらった」

 02年最優秀中継ぎ投手に輝き、04年アテネ五輪出場。06年秋の左肩腱板断裂修復手術以来1軍登板はなかったが、16年間で通算339試合、27勝15敗55セーブを挙げた。引退セレモニーでは、一度もお立ち台の経験がなかったことを明かし「このような舞台であいさつできるのはご褒美かもしれません」とあいさつ。96年入団時の担当スカウトだった小川監督は、就任以来初めてマウンドへ向かうと「16年間ありがとう」とねぎらった。

 ともに01年日本一を知る宮本は石井のバックで守るために先発出場。球団は石井の長男・悠太くん(9)に始球式を託した。東京学館の1年先輩・相川とは公式戦では高校以来17年ぶりのバッテリーを組むなど、球団を挙げて石井の花道を飾った。今後は2軍リハビリ育成コーチまたは担当に就任する予定。石井は引退あいさつを「チームは必ず日本一を勝ち取ってくれると信じています」と締めくくった。

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2011年10月26日のニュース