ヤ逆転サヨナラ締め あわや無安打から土壇場に本領発揮

[ 2011年10月26日 06:00 ]

<ヤ・広>福地(上)のサヨナラ打に歓喜のナイン

セ・リーグ ヤクルト2-1広島

(10月25日 神宮)
 ヤクルトは25日、今季最終戦となった広島戦で逆転サヨナラ勝ちを収めた。9回1死まで無安打に抑えられていた打線が、藤本敦士内野手(34)の初安打から猛反撃。最後は福地寿樹外野手(35)がサヨナラ左前打を放った。チームリーダーの宮本慎也内野手(40)は打率3割をキープ。巨人とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストS(29日開幕、神宮)に向けて、17年目のベテランはまだまだ奮闘する。

 最後まで劇的だった。福地のサヨナラ打にベンチは空っぽ。チームリーダーの宮本は隣の石井と喜びを分かち合った。

 「ホンマやばかった。ノーヒットノーランをやられるのと、やられないのでは違う」

 今季のセ界をけん引したヤクルトは、最終戦もドラマチックだった。石井の引退試合。9回1死まであわやノーヒットノーランの危機。リーグ最多となる今季8度目のサヨナラ勝ちで締めくくると、宮本自身は96年落合博満(当時巨人)以来史上4人目の41歳以上シーズン打率3割を達成した。

 「チームがいい状態だったのでモチベーションも高く、年寄りにはいい環境というか」と冗談めかしたが、数字は物語る。打率・302、得点圏打率・343はチームトップだ。グラウンドでは目配りを欠かさず、この試合も藤本に前田健のスライダーを狙うよう助言。9回1死からその藤本がチーム初安打となる左翼線二塁打を放ち、PL学園の後輩右腕の快記録を阻止した。

 記録は打撃だけではない。今季は三塁でわずか1失策。三塁手のシーズン最高守備率・997をマークした。93年入団当時から当時監督の野村克也氏に「自衛隊」と呼ばれたほど守備の名手。「3割よりも、守備でこの世界に入った人間なのでうれしい。守備でもこの年になって貢献できるのは」と素直に喜んだ。

 レギュラーシーズンは2位で終わったが、日本一への道は残っている。まずは29日から始まるCSファーストS(神宮)だ。小川監督は試合後のセレモニーで「CSで巨人、中日を倒して日本シリーズを神宮で行えるよう、しっかり準備をしたい」とあいさつした。

 ポストシーズンは最大15試合。17年目の40歳が引っ張るチームの挑戦はまだ終わらない。

 ≪三塁守備率も歴代最高≫11月5日で41歳を迎える宮本(ヤ)がセ3位の打率.302をマーク。41歳シーズン以上での打率3割は、96年落合(巨)が43歳で打率.301を記録して以来史上4人目(5度目)。また、41歳以上で打率3傑入りは、55年戸倉(阪急=41歳)が同じ3位に入って以来56年ぶりの快挙だ。宮本は守りでもわずか1失策と相変わらずの堅実さで、今季の守備率は.997。68年徳武定之(中)の.993を4厘も上回る三塁手のシーズン最高守備率を樹立した。

 ▼ヤクルト・藤本(途中出場し、9回1死からチーム初安打となる左翼線二塁打)自分の前に誰かが打ってくれるやろ、と思っていたけど。ドキドキでした。

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2011年10月26日のニュース