巨人、4連敗で借金4…焦りが招いた?“重盗”失敗

[ 2011年6月10日 06:00 ]

<ソ・巨>6回2死一、二塁、打者・ラミレスの時に一走・小笠原が二盗失敗

交流戦 巨人0-2ソフトバンク 

(6月9日 ヤフーD)
 1点を追う6回2死一、二塁、打席は4番。ここで巨人は塁上の走者がスタートを切ったが、タイミングが遅れた一塁走者の小笠原道大内野手(37)が二塁で憤死し、好機をつぶした。100%の成功が求められる場面でのミスが響いて4連敗。勝てない焦りか…。今季5度目の零敗で借金は08年以来の4となり、ヤフードームでは8連敗となった。

 一つの走塁ミスが勝敗の分岐点となった。0―1の6回2死一、二塁。ベンチから重盗のサインは出ていなかった。打席は4番ラミレス。カウント1ボールの2球目、二塁走者の坂本はホールトンのモーションを完全に盗んでスタートを切った。しかし、一塁走者の小笠原はタイミングが一瞬遅れて二塁で憤死した。

 二塁に送球したソフトバンクの捕手・細川は「坂本には完全に盗まれたと思った。ただ、次の瞬間、右の視界に一塁走者が走っているのが見えました。まさか、まさか小笠原さんまで走るとは」と振り返った。100%成功の確信がなければ、盗塁は自重しなければいけない場面。原監督は「戦略的なことは言えないけど(あの場面で)ダブルスチールということはね…」と個人の判断を示唆した上で、「一塁走者が100%の準備をできていたかどうか。(坂本に)つられたとしたらそれは問題」と小笠原に苦言を呈した。

 6月の7試合で3度の零敗を喫するなど計10得点。1試合平均1・4点と打線がつながらない。好機は少ないだけに走塁ミスは致命傷となる。「作戦面のことなのでコメントできない」と言葉少なに球場を後にした小笠原は、左ふくらはぎ打撲から26日ぶりに1軍復帰して2試合目。実戦から遠ざかっていたブランクは否定できない。重盗に成功し、二、三塁とすれば一打逆転の好機に広がる。次の塁を狙う意識が強すぎた結果、判断を誤らせた。

 岡崎ヘッドコーチは「二塁を狙ったのは、チームで統一してやっていることだから責めない」としたが、「結果的に失敗したから反省して分析したい」と渋い表情だった。負の連鎖を断ち切るためにも、このミスを今後の糧にしなければいけない。

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2011年6月10日のニュース