ダル、史上3人目の快挙も「申し訳ない」

[ 2009年11月19日 06:00 ]

MVPを受賞したダルビッシュ(左)とラミレスは笑顔でポーズを取る

 プロ野球コンベンション2009が18日、東京都港区の赤坂サカスで開催され、パ・リーグMVPには日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)が2年ぶりの受賞。プロ5年目までに2度目の受賞は西鉄・稲尾、オリックス・イチロー以来3人目の快挙となった。

 圧倒的な得票数でMVPを手にしたダルビッシュが恐縮しきりだった。
 「そんなに胸を張れる成績じゃない。最後は戦力として(チームに)いなかったのでびっくり。他のチームメートに申し訳ないし沢村賞の涌井くんにも申し訳ない」
 それでも3年連続防御率1点台の1・73、4年連続2ケタ勝利の15勝。右肩痛と左でん部痛で8月後半から離脱しながら、日本シリーズで電撃復帰。右手人さし指を亀裂骨折しながら、選手生命を懸けて快投を見せたことは記憶に新しい。パでは稲尾、イチローに次ぐ3人目となる、プロ5年目以内で2度目MVP受賞の偉業にふさわしいシーズンだった。
 「(2人ほど)価値のあるもんじゃない」と謙そんしたが誰もが鉄腕ぶりは認める。球宴で巨人・ラミレスの打球を右肩に受けたが弱音を吐かず、後半戦も奮闘した。インフル禍でチーム6連敗中だった9月13日のロッテ戦は、満身創痍(い)で23日ぶり登板も勝利投手となった。梨田監督は「(ダルの)10個の貯金が大きかった。故障もたくさんしているし、神様が無理をするなと注意している」として年内は完全休養させ、来季開幕投手も白紙としてプレッシャーを与えない方針だ。
 しかし、そんな言葉に甘えないのがダルビッシュ。「とりあえず休んでキャンプに向けてファンを喜ばせられる体づくりをしたい」。目標は今季なし得なかった日本一奪還。その先に鉄腕・稲尾を超える3度目のMVPも見えている。

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2009年11月19日のニュース