大量点はスクイズから…逆境乗り越え、東北が初戦突破

[ 2009年8月13日 13:35 ]

<倉敷商・東北>3回裏東北2死一塁、佐野が右越えに適時三塁打を放ちヘッドスライディング。三塁手山田

東北 序盤ビッグイニングで8点大勝

奇跡?「なんとか1本」の選手が2安打4打点

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 【東北8―2倉敷商】9長短打で8点を奪い、東北が快勝した。それでも「大量点はたまたま。そんなに力のあるチームではない」と我妻監督。宮城大会の6試合で21犠打を記録した。決して強力打線ではない。“らしさ”は小技で奪った先制点に凝縮されていた。
 それは2回だった。無死一塁から投前へのバントで野選を誘うなど揺さぶり1死一、三塁とした。打席には大庭。「これまで細かい野球で勝ってきた。スクイズのサインが出るのは分かっていた」。2球目。低めの変化球を指示通りに転がし、三塁走者を迎え入れた。
 「スクイズで先制し、いい流れに持っていけた」と我妻監督が振り返る通り、一気に畳み掛けた。満塁と攻めたて国島が走者一掃の二塁打を放つなど、この回一気に6点を奪取。ビッグイニングで流れを完全に引き寄せた。すべてはスクイズから始まった。
 昨秋、部員間の暴力問題が発覚し、6カ月間の対外試合禁止処分を受けた。その間は校舎周辺の清掃活動や走り込みの毎日だった。精神面でも強くなり、この夏につなげた。「以前より気持ちが落ち着き、周りが見えるようになった」と言う佐野はこの日、3安打2打点と活躍した。
 「野球ができる喜びを感じてほしい」とは我妻監督の言葉だ。その喜びを甲子園で感じ取り、逆境を乗り越えたナインは、初戦の扉をこじ開けた。

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2009年8月13日のニュース