亀井が代打逆転サヨナラ弾!巨人首位快走だ

[ 2009年4月26日 06:00 ]

<巨・中>9回無死一、二塁、右越えにサヨナラ本塁打を放った代打・亀井は一塁ベースを周りガッツポーズ

 【巨人5-4中日】亀井が決めた。巨人は25日、2点を追う9回無死一、二塁から代打・亀井義行外野手(26)がバックスクリーン右へ劇的な逆転サヨナラ3ラン。起死回生の一発で開幕以来となる連敗の危機を脱した。球団史上10年ぶり4人目の代打逆転サヨナラ弾。原辰徳監督(50)の起用に見事、応えた。世の中はこの日からゴールデンウイークに入った。首位を快走する原・巨人の“黄金週間”もスタートした。

 打席に向かう“侍”に村田打撃コーチが原監督からの言葉を伝えた。「何もサインはない。任せた!」。2点を追う土壇場の9回無死一、二塁での代打。送りバントはない。亀井は脳裏に最高のシナリオを描いていた。岩瀬の初球、甘いスライダーを強振。逆転サヨナラ3ランはオレンジで波打つ右中間席に達した。
 「正直(一発で)決めてやろうと思いました。初球を打つのが僕の取りえ。打撃の調子は落ちているわけではないけど、しっくりはきてなかった。キッカケにしたい」
 開幕は1番で起用されながら結果を残せず5試合目でスタメン落ち。その後は相手先発投手の右左で谷との併用が続いていたが、前日は右投手の山井でも先発メンバーに入れず、試合後はブルペンで黙々と打撃練習をこなした。2試合連続でスタメン落ちしたこの日の打席では悔しさをバットに込めて起死回生の1号3ラン。「サヨナラホームランは人生で初めて。練習の成果が出たと思います」と笑顔がはじけた。
 “恩返し弾”でもあった。WBC日本代表の監督に就任した原監督は昨年12月の第1次選考で「ベンチにいて心強い」という理由で、まだ実績が少ない亀井をメンバー入りさせた。2月の宮崎合宿の最終選考で、当落線上の選手となることを予想しながらの抜てきだった。迎えた最終選考日の2月22日、起床した亀井は首を寝違えた。首痛を打ち明ければ落選は確実。原監督の期待に応えるためにも痛みを我慢した。当日の巨人との練習試合では思うように首が回らない状態の中で中前打するなどして、見事に日本代表入りを決めた。
 本大会は3試合のみの出場だったが3月19日の2次ラウンド1位決定戦の韓国戦は途中出場ながら安打もマーク。「WBCではイチローさんとの会話とかすべてが勉強になった。選んでもらった原監督のおかげ」と感謝の心は忘れない。劇的な一撃で原監督に監督通算399勝目を贈った。疲労がたまっている救援陣がリードを守れなかった中での逆転勝ちに「神がかり的な1本。いろんなミスを帳消しにしてくれた」と褒めたたえた。
 チームは貯金9で首位独走。誰かのミスを誰かがカバーして一丸で勝利をものにする強さがある。「全員で頑張りたい」と亀井。リーグ3連覇、日本一奪回を果たすまで“亀の恩返し”は続く。

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2009年4月26日のニュース