【柔道】角田夏実「自分が2人いるんじゃ…」「会見やめようかな」直前まで葛藤した引退発表の舞台裏

[ 2026年1月30日 20:19 ]

<柔道・角田夏実会見>会見に臨んだ角田(撮影・郡司 修)
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 柔道女子48キロ級パリ五輪金メダルの角田夏実(33=SBC湘南美容クリニック)が30日、千葉県浦安市内で「これまでの私、これからの私」と題した会見を開き、第一線を退く意向を表明した。全日本柔道連盟に強化指定辞退届を提出済み。今後は子供向けの柔道教室を全国各地で開くなど普及に尽力していくという。

 パリ五輪後から引退を考え始めた角田は、引退の決断に至るまで何度も自問自答を繰り返していた。「自分の気持ちがはっきりしなさすぎて…天使と悪魔ではないけど自分が2人いるんじゃないかというぐらい、現役を続けたい自分と苦しい自分と葛藤があった」。2028年ロサンゼルス五輪を目指すか定まっていない中で、昨年は2月のグランドスラム(GS)バクー大会に出場して優勝。同4月には体重無差別で争われる全日本選手権にも出場した。

 思い悩む日々が続く中で、気持ちが固まってきたのは昨年12月。「もう引退だなと感じたのは、昨年グランドスラム東京の時、私もあの舞台にもう一度立ちたいって思わなかった。あの舞台で戦っている選手を見て“凄いなー”“自分も苦しかったよなー”と思ってしまった時点で、次の大会に出るのは厳しいのかなと気付きました。ロス五輪を目指すならこれから3年間どうやって戦っていくのかなと考えた時に、先が見えなかった」。中途半端な気持ちで再び世界一を目指してはいけないと、区切りを付けた。

 しかしその直後、本人の意志に反した引退報道が一部メディアから出てしまった。「自分の中では決めかねていたのに、いろんな人から“お疲れ様でした”と言われて凄く悲しくて寂しくて…そこで改めて本当に引退していいのかと考え直す良い機会になった」。誤報については自身のSNSで完全否定。再び自問自答を繰り返し「まだ引退したくない自分の方が強いかと思ったけど、生半可な気持ちで臨める五輪ではないし、ここから先やりたいことが見えた」と再度決断に至った。

 最終的に迷いがなくなったのは、この引退会見を終えてから。「今日会見するまではまだ引きずっていた部分があった。会見の日が近づくにつれて“会見やめようかな”と思ってしまった(笑)。でも今日みんなの前で話せて、しっかり次に向けてスタートしないといけないなと、自分の中でけじめを付けられる日になったのかなと思います」。最後の最後まで考え抜いての引退表明だった。

 千葉県八千代市出身の角田は8歳から柔道を始め、八千代高―東京学芸大で活躍。当初は52キロ級を主戦場としていたが、東京五輪の代表争いの終盤から48キロ級に転級した。巴投げや関節技を武器に、2021年から世界選手権で3連覇を達成。初めて出場した2024年パリ五輪では、日本柔道史上最年長の31歳11カ月で金メダルを獲得した。その後はテレビやイベントなどの出演が急増して一躍国民的スターになり、柔道の普及活動にも尽力してきた。

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