【陸上】中島ひとみ 限界突破ハードラー!ネイル&お団子ヘア急成長の30歳

[ 2025年9月9日 05:30 ]

13日開幕世界陸上 注目選手紹介(上)

かめはめ波ポーズする中島ひとみ
Photo By スポニチ

 陸上の世界選手権東京大会は13日に国立競技場で開幕する。東京開催は1991年以来34年ぶり。スポニチ本紙では総勢80人の日本選手団の中から、注目選手を3回にわたって紹介する。第1回は女子100メートル障害で初代表の中島ひとみ(30=長谷川体育施設)。中学3年で日本一に上り詰めた後に長らく低迷した“消えた天才”が、やっとたどり着いた大舞台で快走を目指す。

 走っている姿を見なければ、誰も日本屈指のハードラーだと気づかないだろう。華やかな雰囲気の中島は、日本陸上界で実力も人気も急上昇中。初の大舞台へ「やっとここまで来られた。支えてくださった方々に、やっと見てもらえる!」と声を弾ませる。

 身長1メートル63。細い体形から生み出される強いバネが推進力となり、躍動感のあるハードリングが魅力だ。幼少期は鬼ごっこで走り回る活発な女の子だった。障害種目に出合ったのは中学2年で「“めっちゃ楽しいやん”って思って、そこからゾッコンです」。今季は日本選手権で準優勝を果たし、その後、参加標準記録12秒73を上回る日本歴代2位12秒71を7、8月に2連発。念願の世界切符を手にした。ただ「まだ記録は出る。もう1、2段階上がる」と本番でさらなる好記録を狙う。

 試合前のルーティンが実に独特。レース10日前から身体面の調整期間に入ると同時に、ネイル、ヘアカラーの準備をしながら英気を養う。理由は「アスリートとしての自分を新たにつくる」ため。今季レースでの髪形は一貫してお団子ヘア。「ネイルしている人、お団子にしている人。それをチャームポイントにできたらいいなと思って」。今回の世界選手権へは、大会とコラボレーション商品も出ているサンリオのキティちゃんネイルを施した。自己表現も大きなモチベーションだ。

 長い低迷期を乗り越えてつかんだ。同種目を始めてわずか1年、中学生で日本一に輝いた。その後も夙川学院高2年で日本ユースや国体を制すなど、競技生活は順風満帆だったが、3年の高校総体近畿大会2日前にストレス性胃腸炎を発症。全国大会への切符すら逃した。「こんな頑張っても報われないんだ。心が空っぽになった」。約1週間、家に引きこもった記憶は今も消えていない。

 「負けることさえ何も思わなくなった」と、一時は陸上をやめて就職をしようと思ったが、勧誘を受けた園田学園女子大へ。引退も考えた卒業後は、縁のあった長谷川体育施設へ進んだ。「奥底には勝ちたい気持ちがあった。自分の限界を見てみたかった」。度重なる負傷やオーバートレーニング症候群も乗り越え、努力を重ねた。海外の選手動画を徹底的に研究。多くの国内チームの合宿へ出稽古に出向き、自らの最大の武器であるバネを生かす技術の引き出しを増やした。

 地道に続けた成果もあり、22年日本選手権で4位入賞。24年に12秒99の好タイムを出した。今年4月の織田記念では、実に高2以来13年ぶりとなる優勝。「(周囲から)“いきなり出てきた”という言葉を頂き、本当に私は消えていたんだなと思った」と苦笑いで振り返る。

 やっと身に着ける日本代表のユニホーム。田中、同年代の福部と挑むのは、日本勢初のファイナルだ。「0秒01でも速く、一本でも長く。感謝の気持ちを込めて走りたい」。積年の思いを秘めた美しきハードラーが、号砲の時を待つ。

 ◇中島 ひとみ(なかじま・ひとみ)1995年(平7)7月13日生まれ、兵庫県伊丹市出身の30歳。荒牧中では茶道部と迷いながら陸上を選び、2年から100メートル障害を専門に。夙川学院高、園田学園大を経て長谷川体育施設に入社。23年に男子400メートル障害で19年世界選手権代表の豊田将樹と結婚したことを今年7月に公表。近年は二人三脚で練習を行っている。自己ベストは12秒71。1メートル63。

 《登場パフォーマンスでかめはめ波ポーズ?》中島は大のアニメ好き。人生のバイブルは「ドラゴンボール」や「HUNTER×HUNTER」で、自宅にあるフィギュアのコレクションは未開封含め「50~60体ほどあります」と明かすほどだ。初の世界舞台では登場パフォーマンスも注目され「まだ固まってはないんですけど、何かアニメのポーズができたらいいな」と予告。「かめはめ波ポーズ、いいですねぇ」と想像を膨らませていた。

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