【羽生結弦さんプロ3年(1)】「スポーツならではの視点」から広がる「総合芸術」

[ 2025年7月19日 13:20 ]

プロ3周年を迎えた羽生結弦さん(撮影・小海途 良幹)
Photo By スポニチ

 フィギュアスケート男子で五輪連覇者の羽生結弦さんが19日、ちょうどプロ3年の節目を迎えた。昨年9月の「能登半島復興支援チャリティー演技会」、30歳の誕生日を迎えた昨年12月7日から今年2月まで完走したアイスストーリー第3弾「Echoes of Life」、3月に宮城での「notte stellata」など、見る者の想像を超えた演技で魅了。孤高の道を走り続ける羽生さんが、その思いを語った。(取材・構成 大和 弘明)

【(1)総合芸術】

 ――プロ3年目の1年、様々な経験を重ねた。特に「Echoes of Life」での手応えを含め、振り返るとどんな1年だったか。
 「アイスストーリーという形がおととしの『RE_PRAY』の時になんとなく形が見えてきていました。3年目の『Echoes of Life』を終えて“やっぱりこういうことなのかな”という自分が目指すべきものや自分がつくり上げたい総合芸術が固まった1年でした」

 ――羽生さんが考える「総合芸術」とは何か。
 「絵画、歌、ダンスなどの芸術は確かにそこに相当な努力がある。特にダンス関係に関しては凄く体作りもするし、体力、技術もかなり必要とすると思います。しかし、自分がやってきたフィギュアスケートは、よりスポーツらしいスポーツをやってきてるんですよね。もちろん芸術点と言われるような点数の付け方はされてはいるのですが、正直、芸術点は根拠に裏付けされたものでしかない。どちらかと言うと、情緒的なものではなく根拠的にこういう滑りだから点数を付ける、とか、こういう風に音に合ってるから点数を付けよう、みたいなものでしかなかったと思います。だから今まで、いわゆる型にはめられてきたものたちを、僕はより強く、ジャンプにしてもスピンにしてもスケーティングにしても極めてこようとしてきたからこそできる、スポーツならではの視点からできる芸術作品があると思っています。そこにプロになってからMIKIKO先生やギーグ(ピクチュアズ)だったり、本当にいろんな方々の力をお借りし、本物のエンターテイメント、芸術作品を作っている方々のエッセンスをちゃんと入れて、掛け合わせていくことはアイスストーリーでないとできないことなのかなと思いました。例えば、体操選手がこの演出でやったらできるのかと言われたら、それもまたストーリーとは全然違うものになってしまうと思います。羽生結弦じゃないフィギュアスケーターがこれをやったら、アイスストーリーになるのかと言われたら、また違ったものになってしまうと思う。だから、そういう意味では羽生結弦だからこそできるものを新しく定義できてきたという感覚でいます」

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2025年7月19日のニュース