【レスリング明治杯】元木咲良の“0・17秒”大逆転劇で世界代表に内定「絶対チャンスがあると」

[ 2025年6月22日 22:59 ]

レスリング明治杯全日本選抜選手権最終日 ( 2025年6月22日    東京体育館 )

<明治杯全日本選抜レスリング選手権最終日>女子レスリング62キロ級プレーオフ、尾崎野乃香に勝利し喜ぶ元木咲良(撮影・小海途 良幹)
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 女子62キロ級は24年パリ五輪金メダルの元木咲良(育英大助手)が決勝とその後のプレーオフ(PO)で同五輪68キロ級銅メダルの尾崎野乃香(慶大)に連勝し、9月の世界選手権(ザグレブ)代表権を獲得した。いずれも息詰まる大接戦を制し、PO勝利後は破顔一笑でガッツポーズ。「凄く苦しかったが、勝ち切れて良かった」と振り返った。

 パリ五輪代表の座も争った尾崎との決勝は、1―3で迎えた残り1分で2点を奪い同点に。3―3のまま終了し、ラストポイントの末に勝利。まずは2年ぶりの全日本選抜制覇を果たした。そして約2時間後に行われたPO。決勝と同じような展開で、残り1分で3―3に。その後、片足タックルから2点を奪われ、ビハインドのまま残り30秒を迎えた。
 「絶対に最後、取りに行けると自分の中では思っていた。攻め続けていれば、絶対チャンスがあると思って頑張った」
 試合再開直後に片足タックルに入ると、防御を固める尾崎にテイクダウンを仕掛ける。2度こらえられ、万事休すかに思われた終了間際、渾身の力でひねり倒し、2点を獲得。相手のチャレンジでビデオ検証となったが、判定は変わらず。ポイントが入ったのは残り0秒17で、「取らないと負けちゃうと思って、最後に力を出し切った。時間内(のポイント)になってくれて良かった」と話した。
 父に2000年シドニー五輪代表の康年さんを持つが、元木自身はレスリングを始めた幼少期から臆病で、決して才能や運動能力に恵まれてきたわけではない。大きな膝のケガも2度経験し、今もサポーターは手放せない。だからこそ、拠り所となるは「練習量を積んでいるという自信」。育英大卒業後の現在も、現役部員と同じように午前6時半と午後4時半からの2部練習を行ってきた自信が、土壇場の逆転劇につながった。
 PO後に勝ち名乗りを上げると、最後は泣きじゃくる尾崎と抱擁し、健闘を称え合った元木。28年ロサンゼルス五輪の代表争いは、まだ序章が終わっただけ。「やっぱり強い選手だと思う。自分が劣っている部分はたくさんあるので、どう努力すれば勝てるのか。これからもそれは変わらない」。五輪女王は相も変わらず、謙虚で控えめだった。

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