【砂村光信の目】リーグワンの選手登録区分の変更は子どもたちの夢のため 関係者は知恵を絞って対応を

[ 2025年6月1日 23:23 ]

優勝を喜ぶBL東京フィフティーン(撮影・篠原岳夫)
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 リーグワンは2026―27シーズンから、選手登録区分を変更すると発表(※1)した。今季は海外からレベルの高い選手が多く加入し、それに伴って日本選手のレベルも上がり、リーグ全体が盛り上がる相乗効果を生んだ。だが、来季以降は、リーグワンだけでなく、高校、大学も新区分に対応することになるだろう。

 この変更の最大の目的は「ラグビーをしている日本の子どもたちに夢を与え、ラグビー人口を増やす」ことだ。リーグワンは、日本らしい展開ラグビーが海外からも評価され、レベルの高い外国人選手が多く来日した。それによってリーグと、日本選手のレベルが上がる効果を生んだが、一方で外国人選手が4分の3近くを占め、日本人の大学生がリーグワンに進めない負の側面も生んだ。

 大学の関係者に話を聞くと、リーグワンの1チームに採用される大学生は3、4人で、身長が求められるポジションはほとんど採用されないという。これでは、リーグワンから日本代表へ、と志す日本選手の夢を奪ってしまうことになり、ラグビー人口の減少にもつながりかねない。

 国籍に縛られないラグビーの代表資格の国際ルール(※2)を考えれば、現状で問題はない。各チームが強くなるために外国人選手と契約するのも当然の成り行きだ。ただ、日本ラグビーの発展とリンクするリーグワンの登録区分は、体格や経験で劣る日本選手から「リーグワンの選手になりたい」という夢を奪ってはいけないのも、一面の事実だろう。

 高校の現場では、留学生選手を受け入れにくくなるという。外国人との体格差に慣れる、将来性のある外国人を迎えるというメリットが少なくなるという声も聞く。大学も同様で、今後のラグビー界の在り方が変わっていくことも予想される。

 それでも、新たなルールに基づいて、高校、大学、リーグワンの各チームは、知恵を絞り、日本のレベルを上げるために頑張ってほしい。外国人が減ることで、一時的に競技レベルが落ちることはあるかもしれないが、ラグビーをする子どもたちのため、日本ラグビーの将来のために、スピード感を持って変化に対応してほしいと思う。(元U―23日本代表監督)

 ※1 今回の改訂で、カテゴリAをカテゴリA―1とA―2に区分することが決まった。
 【A―1】(1)(2)いずれかを満たす者
 (1)他協会の代表歴がなく、義務教育期間9年間のうち、6年間以上を日本で居住した者
 (2)他協会の代表歴がなく、本人が日本出生、または、両親祖父母のうち1名が日本出生である者
※国籍は要件に含まない
 【A―2】
他協会の代表歴がなく、日本協会への継続登録が48か月以上である者
 ※日本代表キャップを30以上持つ選手は、「日本代表に多大な貢献をした選手に対する優遇措置」としてA―1に分類される。
 カテゴリ追加に伴い、A―1の「試合エントリー枠」が14人以上、「同時出場枠」が8人以上になる。今季、カテゴリAを17人登録していたチームは新規程では、A―1が14人以上、A―2が3人以下になる。

 ※2 国際統括団体であるワールドラグビーの代表資格の規定。
 (1)その国・地域で出生
 (2)両親または祖父母のうち1人がその国・地域生まれ。
 (3)直前の5年間継続居住。
 (4)通算10年居住のうち、どれか1つを満たせば取得できる。

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