自力V消滅から逆転!大の里 来場所は史上最速の綱獲り 「自分だけ蚊帳の外」悔しさ糧に稽古増やし成長

[ 2025年3月24日 04:30 ]

大相撲春場所千秋楽 ( 2025年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲大阪場所千秋楽>優勝パレードに出る大の里は笑顔でバンザイ(撮影・井垣 忠夫)
Photo By スポニチ

 大関・大の里(24=二所ノ関部屋)が3度目の賜杯を手にした。初優勝を目指す平幕・高安(35=田子ノ浦部屋)と3敗で並んで迎えた千秋楽は結びで琴桜、決定戦で高安を下し、大関昇進3場所目で初制覇。優勝3度は現役最多に並び、師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の2度も超えた。夏場所(5月11日初日、東京・両国国技館)で日本出身では稀勢の里以来、年6場所制度以降では史上最速となる綱獲りに挑む。

 最後の最後の大一番で大の里らしさが復活した。今場所一度負けている高安との優勝決定戦。「気持ちで、細かいことは気にせず気力でやるだけだった」と前に出ることだけに集中。激しい体当たりで先制し、相手有利の左差しを許しても構わず突進した。土俵際、35歳の渾身(こんしん)の下手投げにバランスを崩したが、必死に踏ん張って高安を送り出した。

 大関として、大銀杏(おおいちょう)姿でも初めて賜杯を手にし「大関に上がってから思うような成績を残せていなかった。苦しい場所が続いた中での優勝はうれしい」と声を弾ませた。13日目に王鵬に敗れ、一度は自力Vが消えるも3敗で並んで迎えた千秋楽。本割で琴桜、決定戦で高安を連破。破壊力十分の出足で賜杯をたぐり寄せた。

 悔しさを起爆剤に変えた。2年前のデビューから期待にたがわぬ強さを発揮。猛スピードで大関まで駆け上がったが、昇進後の2場所は急ブレーキがかかった。稽古不足も響き、常に重要視している初日の入りに失敗。初場所は序盤で2勝3敗とつまずいた。琴桜、豊昇龍が横綱昇進に挑戦する一方で「自分だけ蚊帳の外だった」と屈辱を味わった。

 初場所後は稽古量を増やすように師匠にも厳命された。体調が思わしくない日も稽古場には必ず足を踏み入れた。大阪入り後は一門外の連合稽古にも参加。豊昇龍、琴桜と三番稽古を行い「入りには自信があった」と振り返った。4月7日には地元の石川県津幡町で行われる春巡業に凱旋する。「大変な状況が続きますけど、少しでも明るい話題を届けられたら」と話した。

 番付編成を担う審判部の高田川部長(元関脇・安芸乃島)は夏場所が綱獲りになるとの見解を示した。所要13場所で昇進となれば年6場所制以降では最速記録となる。大の里も「次が大事になってくる。気を引き締めてやっていきたい」と前を向く。大阪の二所ノ関部屋宿舎に合流しプロ生活をスタートさせたのがちょうど2年前の3月23日。節目の日に夢追い物語の号砲が鳴った。 (黒田 健司郎)

 ◇大の里 泰輝(おおのさと・だいき=本名中村泰輝)2000年(平12)6月7日生まれ、石川県津幡町出身の24歳。7歳から相撲を始め新潟に相撲留学。能生中から海洋高。日体大では1年時に学生横綱。3、4年時にアマ横綱に輝くなど13冠。二所ノ関部屋に入門し23年夏場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。2場所で十両に昇進し24年初場所で新入幕。同年夏場所で幕内優勝。2度目の優勝を果たした同年秋場所後に大関に昇進した。1メートル92、183キロ。得意は突き、押し、右四つ、寄り。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2025年3月24日のニュース