【飛び込み体験記】10Mはスリル満点 1Mでも“ノースプラッシュ”ままならず

[ 2024年6月15日 08:30 ]

<飛び込み日本代表・公開練習>練習する玉井(撮影・尾崎 有希)
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 パリ五輪に出場する飛び込み日本代表が14日、栃木県内で行われている合宿を公開後に、報道陣向けの飛び込み体験会を実施した。スポニチからは46歳の飛び込み担当記者が参戦。5メートル台からのジャンプや坂井丞(31=ミキハウス)と組んだ1メートルシンクロ板飛び込みなどをリポートする。 (木本 新也)

 下から見ても高いと思っていたが、上からプールをのぞくと一層高く感じる。五輪の高飛び込みの舞台となる10メートル台。飛び込み日本代表の首脳陣が「素人には危険」と判断したため、ダイブは許されなかったが、3階建てのマンションと同等の高さの台に立っただけでも十分にスリルがあった。

 体験会のコーチ陣は豪華な顔ぶれ。22年世界選手権銀メダルの玉井陸斗、パリが3大会連続の五輪出場となる坂井丞、女子エースの三上紗也可らパリ五輪代表の5選手が指導に当たってくれた。準備段階で水深5メートルのプールに潜ると、水圧で鼓膜が圧迫されて耳に痛みが走る。坂井に「選手は耳が痛くならないのですか?」と聞くと「痛くなるけど、慣れました」と返された。やっぱり痛いんだ。アスリートでも鼓膜を鍛えることはできないらしい。

 ハイライトは5メートル台からのジャンプで、演目は基本中の基本となる「棒飛び」。上体をまっすぐに立てた姿勢で飛び込み、体を一本の棒のようにしてつま先からプールに入る。事前に10メートル台に上っていたので、プールをのぞいてもさほど恐怖は感じない。躊躇(ちゅうちょ)せずに飛び込んだが、想像以上に滞空時間が長い。1秒にも満たないはずだが、ジェットコースターで急降下しているような感覚に陥り、思わず「うわっ」と声が出た。肌感覚のスリル度は富士急ハイランドの絶叫マシン「FUJIYAMA」レベルだった。

 体験会の最後には1メートルシンクロ板飛び込みの“競技会”を実施。演目は「棒跳び」で記者は坂井とペアを組むことになった。坂井のシンクロの相方といえば、五輪に6度出場して昨年9月に現役を引退した寺内健。21年東京五輪のシンクロ板飛び込みでは5位入賞を果たしている。レジェンドの気持ちになりきって約30分練習したが、板の反動を受けながら体をコントロールするのは容易ではない。1メートルからでも“ノースプラッシュ”はままならなかった。

 1本の演技で争う競技会の出場は5組。ジャッジは馬淵崇英コーチ、安田千万樹コーチ、野村孝路飛び込み委員長が務めてくれた。坂井の分かりやすいコーチングのおかげで、結果は優勝。きゃしゃな荒井祭里と体重100キロ超のライバル紙飛び込み担当が組む、体形はまったくシンクロしていないペアを僅差で抑えた。

 約1時間半の体験会を通じて、トップアスリートの異次元の能力を改めて実感。あの高さからくるくる回って飛沫(しぶき)を上げずに入水するなんて考えられない。パリ五輪の飛び込み競技は開会式翌日の7月27日にスタート。今回の貴重な経験を原稿に生かして、翼ジャパンの活躍を花の都から届けたい。(敬称略)

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