【玉ノ井親方 視点】相撲界の“春”の息吹き感じる尊富士 無傷7連勝の内容全て良し

[ 2024年3月16日 19:55 ]

大相撲春場所7日目 ( 2024年3月16日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲7日目>湘南乃海を寄り切りで破る尊富士(撮影・井垣 忠夫)
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 春の足音が日に日に近づく季節。相撲界でも若い力が次々と芽吹いている。

 今場所の尊富士はその象徴。湘南乃海との一番は身長が10センチ高く、体重が43キロも重い相手を一蹴。当たってすぐに左を差すと、右で上手をさぐりながらぐいぐい前に出て一気に寄り切った。

 初日から無傷の7連勝。その相撲内容がどれも素晴らしい。特に立ち合いで当たった後の二の矢の攻めが速く、迷うことなく前に出て反撃の隙を与えない。高校、大学時代に両膝を負傷し、アマでは他を圧倒するような成績を残せなかったが、その経験が膝に負担をかけない持ち味のスピード相撲につながった。

 攻撃は最大の防御の言葉通り、右を差して前に出る相撲を磨いたことで安定感が増した。後半戦は上位と当たることになるが、相手からすれば取りづらいタイプ。怖い存在になりそうだ。
(元大関・栃東)

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