宇野昌磨が連覇!佐藤信夫の10度に次ぐ歴代2位6度目V 来年3月世界選手権で日本男子初の3連覇狙う

[ 2023年12月24日 05:00 ]

フィギュアスケート全日本選手権第3日 ( 2023年12月23日    長野市ビッグハット )

優勝し胴上げされる宇野昌磨(撮影・小海途 良幹)
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 男子フリーが行われ、世界選手権王者でSP首位の宇野昌磨(26=トヨタ自動車)がフリー2位の193・35点を出し、合計298・04点で2連覇を達成した。ハイレベルな争いの中、最終滑走者として4回転4本を降りてまとめ、歴代2位の6度目の頂点に立った。日本男子初の3連覇の懸かる世界選手権(来年3月、モントリオール)代表切符を獲得。24日は女子フリーが行われる。

 極限の緊張から解放されると、宇野は柔和な表情で笑った。フリー、合計点ともに非公認記録ながら今季自己ベスト。最高の演技とはならなかったが、両手を振って“セーフ”のジェスチャーを見せた。若手が次々と好演技を繰り出す中での最終演技者。「僕も良い演技をすることが、この試合を最高のものにする」。世界王者は殊勝に語った。

 こんな感情は久しぶりかもしれない。演技が始まる前、ハイレベルな戦いに「次に滑る僕、大丈夫か…」と思った。冒頭の大技4回転ループで着氷が乱れるも続く4回転フリップは決める。その後は調子の上がらないトリプルアクセル(3回転半)を序盤に集中。終盤の3回転サルコーはあえて連続技にせず、完成度を意識。「本当にベテランなんだなと」。難度を落とす冷静な選択も、経験者の妙だった。

 続いた敗戦が世界王者の本能を研ぎ澄ませていった。今オフは表現力を求めてアイスショーに注力。例年より遅い11月のシーズンインで、中国杯、NHK杯、ファイナルとGP3連戦でライバルたちに頂点を譲った。試合を重ねるごとに湧き上がったのは、勝負へのこだわりだった。今大会に向けては、ジャンプ練習を2倍に増やして調整。世界王者の称号を得た今、決して楽しさは感じなかったが、勝つための選択が頂点に直結した。

 「世代交代が早い競技で、これだけ成績が残せているのはうれしい」。6度目の日本の頂に立ち、来年3月には日本男子初の3連覇の懸かる世界選手権が待つ。最大のライバルは、4回転半など高難度ジャンプの使い手マリニン。「僕が競技人生やってきた中で最高の演技をしなければ勝てないと分かっている。無難な演技をしても2、3位にしかならない。マリニンくんと戦える試合をしたい」。国内最高峰の舞台を経て、勝負師としての本能が呼び起こされた。 

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