代表資格規定変更&SR参戦 ラグビーサモア代表に吹く追い風 22日・日本代表戦

[ 2023年7月18日 15:45 ]

サモア代表の現状などを語るセイララ・マプスア・ヘッドコーチ
Photo By スポニチ

 ラグビーサモア代表が18日、「リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ」第1戦(22日、札幌ドーム)に向け、千葉県船橋市内での練習を報道陣に公開。W杯フランス大会本番でも3大会連続で1次リーグ同組となった日本代表との前哨戦に向け、攻守の連係などを確認した。

 かつてクボタ(現東京ベイ)や釜石でプレーしたセイララ・マプスア・ヘッドコーチ(HC)は「何年かぶりに日本に戻ってこられてうれしい。サモア代表は(今年)初めてのゲームになるが、日本はオールブラックス・フィフティーンと2試合を戦い、今週は本来の力を発揮してくると思う」と警戒した。

 世界ランキングは日本の10位に対してサモアが12位。過去の対戦成績はサモアの11勝5敗だが、最近3試合はサモアの3連敗中となっている。人材の宝庫と言われ、かつては太平洋諸国の盟主としてW杯でも2大会連続(91、95年)で準々決勝進出を果たしたが、ラグビー界がプロ化されると、人材流出に伴い代表チームは衰退。最近5大会連続で1次リーグ敗退を喫している。

 そんなサモアに追い風が吹いたのが、国際統括団体ワールドラグビー(WR)が22年1月から適用した代表資格の変更ルールだ。最後の代表戦出場から36カ月以上が経過した選手が、本人または両親か祖父母が生まれた国の代表に変更できるというもの。今回の来日メンバー28人に入ったSOクリスチャン・リアリーファノ(元オーストラリア代表)やプロップのチャーリー・ファウムイナ(元ニュージーランド代表)も、このルールの適用でサモア代表入りを果たした。

 マプスアHCも「ポジティブな改正だ。ルールが変わり、選べる選手が増えた。国のレベルも上げていける」と歓迎する。19年W杯を経験しているリアリーファノ、15年W杯では優勝メンバーの一員だったファウムイナら他国代表経験者についても「彼らの経験を生かし、チームづくりはサモアのカルチャーをベースに、それぞれの選手がプレーする環境を作りたい。兄弟や家族としてやっていく」と話した。

 もう一つ追い風になっているのが、サモアとトンガを中心に太平洋諸国にルーツのある選手で構成されるモアナ・パシフィカのスーパーラグビー・パシフィック参戦だ。参入2季目の今季は1勝13敗の最下位と苦しんだものの、マプスアHCは「今までは(代表に)クラブレベルの選手が多かったが、モアナ・パシフィカに入団し、プロの高いレベルのリーグに参加し、サモア代表のレベルをどんどん上げられる」と話す。

 19年W杯日本大会で史上初の8強入りを果たした日本代表も、16~20年にスーパーラグビーに参戦したサンウルブズに多くの選手が参加。世界最高峰レベルのプロリーグで心身を鍛え上げた成果がW杯で結実した。今回の来日メンバーも、28人中11人がモアナ・パシフィカに所属。個を磨くだけではなく、シーズンを通じて連係を高めてきており、7月3日の集合から2週間で迎える初戦ながら、チームとしての完成度は侮れない状況だ。

 ゲーム主将を務めるプロップのポール・アロエミールは、19年W杯の日本代表戦にも途中出場。レベルズ(オーストラリア)時代には堀江翔太、稲垣啓太のチームメートでもあり、「(19年W杯の)敗戦は忘れていない。ある意味、リベンジの試合になる」と宣言。W杯に向けても「優勝することが目標だが、現実的にはトーナメント進出(8強)が目標。ただ参加するだけのチームとは思わせたくない。インパクトを残したい」と鼻息荒く語った。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年7月18日のニュース