走り幅跳び吉田弘道が味わった天国から地獄 5月に8メートル26も6月の日本選手権は7メートル54

[ 2023年6月28日 07:00 ]

男子走り幅跳び・吉田弘道
Photo By 共同

 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者らを取り上げるコラムの今回は、男子走り幅跳びの吉田弘道(23、写真=神崎郡陸協)。今年5月のセイコーゴールデングランプリで日本歴代3位の記録で優勝しながら、同6月の日本選手権では10位に終わった。アルバイトをしながら競技を続けるジャンパーが思いを語った。

 異色の“アルバイトジャンパー”吉田にとっては、天国と地獄を味わう14日間となった。5月21日のセイコーゴールデングランプリで吉田は追い風1・0メートルの中、日本歴代3位となる8メートル26をマークして優勝。世界選手権(ブダペスト)の参加標準記録(8メートル25)も突破して、今月3日の日本選手権で3位以内に入れば、自身初となる世界切符をつかめるはずだった。だが…。

 「セイコーが終わってから、体と心のコンディションが乖離(かいり)していくのを感じていた。こういう大会で勝ちきれなかったら話にならない」。思うように8メートルを超えるジャンプを跳べず、上位8人による4本目以降に進めなかった。7メートル54という記録で10位。世界選手権出場をその場で決められず、自身のふがいなさを嘆いた。

 立命大を卒業後、実業団には所属せずに競技を続けている。「陸上を続けようと思ったのがギリギリで、自分から(実業団に)声をかけに行った時には“うちはやっていない”という感じだった」。走り幅跳びへの熱は消えておらず、兵庫・福崎町の実家に戻って神崎郡陸協に所属。「昔から自動車関係の仕事に就きたかった」という思いもあり、姫路市の中古車販売店でアルバイトをすることを決めた。

 基本は週5日、午前10時から午後2時30分まで勤務する。販売済みとなった車の仕上げなどを担当し、働き終わってから個人もしくは関西福祉大の練習に交じって5時間程度のトレーニングを自らに課している。「これが両立という言い方になるか分からないけど、自分のスタイルには合っている」。実業団で競技をする選手とは一線を画す形で実績を残してきた。

 日本選手権での代表決定とはならなかったが、まだ可能性が完全に消滅したわけではない。「自分は一発屋で、まだまだトップ選手の足元にも及ばない。次のステップに向けて頑張っていきたい」。来年のパリ五輪も見据え、働きながら自分を高めていく。

 ◇吉田 弘道(よしだ・ひろみち)1999年(平11)8月8日生まれ、兵庫県神崎郡福崎町出身の23歳。福崎西中、姫路商、立命大と進み、現在は神崎郡陸協所属。高校3年時の全国高校総体で2位。日本選手権の最高成績は大学4年時の21年に7位。

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