貴景勝 綱獲り暗雲…痛恨初日に黒星 苦手翔猿に3連敗

[ 2023年3月13日 04:44 ]

大相撲春場所初日 ( 2023年3月12日    エディオンアリーナ大阪 )

土俵際で翔猿のはたき込みでバッタリと手をつく貴景勝(撮影・長嶋 久樹)
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 綱取りの大関・貴景勝(26=常盤山部屋)は黒星発進となった。直近の対戦で2連敗中だった小結・翔猿(30=追手風部屋)に土俵際ではたき込まれ痛恨の敗戦。厳しい船出となった。3関脇では霧馬山(26=陸奥部屋)が白星発進。若隆景、豊昇龍は敗れた。今場所は観客数に制限を設けず、新型コロナウイルス感染拡大後では4年ぶりの通常開催。初日は満員御礼となった。

 下から起こして難なく土俵際まで持っていった。しかし、翔猿が右に少し回り込んだだけで貴景勝の足がぐらつき、前のめりに崩れた。波乱の幕開けに館内の悲鳴が鳴りやまない。大関は花道の奥で足を止め、気持ちを落ち着かせるように息をついた。

 埼玉栄高の4学年先輩には直近の対戦で2連敗中。難敵ではあったが、気持ちだけが先走っていた。3日の大阪入り後は「場所に集中したい」との理由で全ての取材を断り、この日の取組後もリモート取材にも応じることはなかった。佐渡ケ嶽審判長(元関脇・琴ノ若)は「立ち合いからの流れは悪くなかったけど、うまく回り込まれた。最後は急ぎ過ぎたかな」と分析した。

 15日制度が定着した49年夏場所以降に誕生した横綱33人のうち黒星発進から昇進した横綱は6人しかいない。貴景勝は前回の綱獲り(21年初場所)も黒星発進から4連敗を喫し途中休場に追い込まれた。初日から連敗後に優勝した例は過去にないため、今日玉鷲戦に敗れると優勝確率は0%となる。八角理事長(元横綱・北勝海)は「切り替えて14日間、頑張ればいい。一気に持って行く相撲を取らないと優勝は見えてこない」と奮起をうながすが、いきなり大きな試練を迎えることになった。

 ≪黒星発進から横綱昇進 過去6人≫15日制度が定着した1949年夏場所以降、黒星発進から横綱に昇進した力士は過去に鏡里、栃錦、柏戸、栃ノ海、三重ノ海、千代の富士の6人。柏戸(12勝3敗)、栃ノ海(13勝2敗)をのぞく4人は2日目から14連勝した。

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