芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑧ アプローチの基本

[ 2023年3月10日 12:00 ]

芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑧ アプローチの基本
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 アプローチがうまい人は必ず自分の距離感を持っています。このクラブでこの振り幅なら何㍎のキャリーが出るのか。まずはそれを把握することがアプローチ名人への第一歩です。芹澤信雄プロによれば、安定した距離感を得るには、バックスイングとフォロースルーを左右対称のスイングにすることが大切だと言います。そのことに注意しながら自分の距離感をつくりましょう。パートナーはチームセリザワの林菜乃子プロです。  動画で見る・芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑧

 芹澤 アプローチでまず把握してほしいのはクラブを右腰から左腰の高さまで振ったときの距離感です。人によって使用するウエッジのロフトが違ったり、パワーにも差があるので、飛距離は変わりますが、必ずノーコックでクラブを振ることが条件です。林プロはどのように距離感をつくっていますか?

 林 私は時計の文字盤をイメージして、右腰から左腰の振り幅なら9時→3時、あとは8時→4時、7時→5時というように振り幅を決めて打っています。

 芹澤 やはりコックは使わない?

 林 この振り幅ならノーコックで打ちたいです。あと、左足に体重の6割を乗せ、軽いオープンスタンスで構えます。9時から3時の振り幅で1球打ってみます。

 芹澤 大体15㍎ぐらいのキャリーだったかな。林プロの説明に付け加えるなら、ボールをスタンスの真ん中に置いて、軽いハンドファーストに構えることが大切です。左腕とシャフトの一体感を大切にしながら、体の回転でクラブを上げます。ダウンスイングでは体でクラブを引っ張り下ろし、左腰の高さまで振り抜きましょう。腰から腰の振り幅だと僕は20㍎のキャリーですね。

 林 私より5㍎飛んでいます。

 芹澤 男性と女性の差はあると思いますよ。あと、アプローチで意外と大切なのがバンス角です。林プロのバンス角は何度ですか?

 林 13度です。

 芹澤 僕は6度なんですが、バンス角が大きいと地面にクラブヘッドが跳ねやすいんですよ。その分ボールが飛んでしまう傾向があります。逆にバンス角が小さいとヘッドの抜けがいいので、振り幅に応じた距離が出ます。このことも頭の中に入れておくといいでしょう。

 林 なるほど。他に注意点はありますか?

 芹澤 やっぱりインパクトが緩むことですかね。振り幅を決めたら、フィニッシュまでスピードを緩めずに振り抜きましょう。ただし、小さなバックスイングから大きなフォロースルーで飛ばそうとするのはNGです。林プロのようにバックスイングとフォロースルーが左右対称になるのが理想です。

 林 確かに左右対称のスイングは意識しています。ただアベレージゴルファーのみなさんは、バックスイングとフォロースルーの大きさが違う場合が、意外と多いように感じます。

 芹澤 あとは、スイングリズムでしょう。ショットのときは〝イチ、ニーの、サーン〟でしたが、アプローチでは〝イチ、ニー〟です。イチで上げてニーで下ろします。できれば、ゆっくり上げてゆっくり下ろしてほしいのですが、どうしても速く振ってしまう人はそれでも構いません。ただし、速く振るとミート率が下がりやすいので気をつけましょう。くれぐれも左腕とシャフトの一体感は忘れないでください。

 (取材協力・チームセリザワゴルフアカデミー)

 ◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年(昭34)11月10日、静岡県御殿場市生まれの63歳。公式戦の96年日本マッチプレーなどツアー通算5勝。指導者として高い評価を受け太平洋クラブ御殿場コース内で「チームセリザワゴルフアカデミー」を運営。門下生に藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかり、林菜乃子らがいる。2022年から日本プロゴルフ協会の副会長も務める。TSI所属。

 ◆林 菜乃子(はやし・なのこ)1997年(平8)5月17日生まれ、神奈川県出身の25歳。6歳でゴルフを始めクラーク記念国際高3年時に神奈川県アマ、関東高校選手権4位。18年プロテスト合格。20~21年に6試合でベスト10に入りメルセデス・ランキングで52位と飛躍。昨季は同ランク57位。ツアー自己最高位は6位。ユピテル所属。

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