【冬の王 語る(1)】羽生結弦さん「同じオーラを持っている人」「かっこいい」内村航平さんと初共演

[ 2023年3月10日 21:01 ]

<羽生結弦notte stellata>春よ、来いを演じる羽生結弦さん(撮影・長久保 豊)
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 フィギュアスケート男子で五輪連覇し、プロとして活動する羽生結弦さん(28)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」が10日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開幕した。

 体操男子個人総合で五輪連覇を達成した内村航平さん(34)との共演でもファンを魅了。終演、羽生さんは取材に応じた。

 【冬の王 語る(1)】

 ――3・11から明日で12年
 「えっと、まあ凄く緊張しながら、みなさんの前で滑っています。3月11日という日に、毎年あれから気持ちを込めながら祈りの気持ちを込めながら、感謝の気持ちも込めながら、悲しい気持ちも込めながら、人知れず滑ってはきていました。ただ、こうやってみなさんの前でこの感情とともに、3月11日に演技をするということ。そして、そういう企画の中で演技をするのが初めてなので正直、凄く緊張はします。ですが、この『notte stellata』というショーだからこそ伝えられる気持ちだったりとか、また、このショーだから見えるプログラムの新しい一面だったり気持ちだったりテーマだったり、そういったものもまた感じていただければと思っています」

 ――内村さんとのコラボの打ち合わせは
 「えっと、振り付けは冒頭の部分がデービッド・ウィルソンさんに僕は振り付けをしていただいて。内村さんが登場してからの部分は全部、自分で振り付けをしました。また、内村さんとの打ち合わせだったり、相談だったり、振り付けの構成だったりの相談はほとんどなく、お互いが自分たちにできることをぶつけ合おうというような感覚で進めてきました。実際にこうやってこの場所で会って、初めて一緒にリハーサルする時もお互い謙遜し合いながら、または距離感を測りながらみたいなところもあったんですけれども。今日ちょっと演技を見ていただいて、感じてくださったかもしれないですけど、お互いがお互いのことに集中して、なんか、ぶつかり合って。でも、共鳴もしていて。お互いの本気のエネルギーが混ざり合うみたいなところをこのプログラムでは出したいなって意識があって。お互い集中しましょう。自分たちのことに集中して、それがきっといい掛け算になりますって言い合いながら作っていきました」

 ――地元で見られて良かったというファンが多かった
 「正直、なんかまだ歓声がある中で出ることに慣れていないというか。久しぶりに自分が演技している最中にお客さまの声が聞こえてきたりとか、なんですかね、なんかお客さまがそこにいらっしゃるっていう感覚を久しぶりに感じながら最初から最後まで滑っているので。なんか緊張もしますし、もっと集中しなきゃって思いますし。逆にみなさんに届いているんだなって思えるきっかけにもなりますし、いろんな気持ちが渦巻いてはいます。ただ、先ほども言ったように、このショーの企画自体が3・11のことを含めて希望を届けたいという趣旨があるので。もちろん、全ての方々が3・11で傷ついているわけではないかもしれないですけど、実際に地震の被害のなかったところもあると思いますし、ニュースでしか知らないという方も、もしかしたらこの会場にはいらっしゃるかもしれないです。ただ、そういった方々にも、最後のMCでも言わせていただいた通り、人生のちょっとした苦しいところでこの『notte stellata』のプログラム、星みたいなものがちょっとでも希望を届けるものになってたらなということは思いました」

 ――内村さんから感じたこと
 「同じオーラを持っている人だなと凄く思いました。僕もやっぱ僕のことに集中してやらないと自分の演技が流されてしまうってくらいのオーラがありますし。僕自身、最近単独のショーもやらせていただいているからこそ、非常に自分のスケートにクオリティを求めないといけないという気持ちもあって。そこまでいろんなスケーターだったり共演者だったりの演技とか練習を見られているわけではないんですよ。でも、コラボの練習とかする時に、または実際、今日コラボしている時にやっぱり、自分も見たいなって思ってしまうくらいのオーラは感じていました。そういう意味でプロなのかなって思ったんですよね。競技とか技とか技術とか、そういう枠を超えて人を引きつけるもの、カリスマ性的なものが、別に内村航平という人間に成績がなかったとしてもきっと、そういうものを感じるんだろうなっていうことを今回コラボしながら感じていました。単純な言葉にすると、かっこいいなって思いました。まあ、僕がそれを持っているかどうかは別として、内村航平という人物の体操は、体操だけにとどまるものではないんだなということは感じました」=(2)に続く=

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