【夏の王 語る】内村航平さん「『結弦、凄~い』って、つくづく感じた」羽生結弦さんと初共演

[ 2023年3月10日 20:56 ]

<羽生結弦notte stellata>エンディングの羽生結弦さんと内村航平さん(中央)ら出演者(撮影・長久保 豊)
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 フィギュアスケート男子で五輪連覇し、プロとして活動する羽生結弦さん(28)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata」が10日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで開幕した。

 体操男子個人総合で五輪連覇を達成した内村航平さん(34)との共演でもファンを魅了。終演後の内村さんとの一問一答は以下の通り。

 ――羽生さんとのコラボを振り返って
 「やっている本人たちはほんとにやることに必死で、どういう風に見えているかは全然、分からないんですけど、唯一、僕の目線なんですけど、目の前で羽生君がスピンをしているところと円馬で旋回しているところが自分の目で見て、コラボできているなっていう感じがものすごく感じる部分がある。そこを毎回リハーサルでも意識して合わせるようにして、本番もかなりそこでお客さんも盛り上がってくれたと思うので。他の部分は技をやっているので分からずに、自分のやることに必死で、やりきったなという感じはします」

 ――ソロ演技でも床を演技した。
 「ほんとにやらせていただいている気持ちがものすごく大きくて、違う畑でやっているので、できるだけ自分の持ち味が出る、そして真剣にやるということを心がけてやらせてもらいました」

 ――フィギュア会場での演技をどう感じたか
 「うらやましいです。僕は体操の普及に今、重きを置いてやっているので、体操もこんな風になればいいのになとか。最後のスケートのところでも羽生君が僕の前を滑っていて、やっぱりこの男は凄いなと思いながら滑らされていました。あのコラボのところも僕の体操をスケートリンクで見ているという特別感もそうなんですけど、羽生君がいるからこそ、あんなに大盛り上がりしているのもあるので。ほんとに、『結弦、凄~い』って感じです。ほんとに。それをほんとに今日つくづく感じた一日でした」

 ――明日で震災から12年。
 「羽生君の地元でもありますし、羽生君もそういう思いを持ってやっているので。僕も12年前に東京の世界選手権があって、開催が危ぶまれたけど、復興の思いをやってやりきって、そこからも被災地の方々に『勇気をもらいました』とか『元気をもらいました』という声をいただいて、それを糧に頑張ってきているので。その思いは選手の時と変わらずに持っているので、その思いを持った同士のコラボということもあって、よりその思いが届けばいいなという気持ちです」

 ――着地は少し乱れた
 「自分が現役の頃に比べると簡単な技で、まあ全て止めなければいけないところだけど、スケートリンクの上なので止まれないんですよね、たぶん。僕はスケート止まれないので、ちょっと引っ張られているかもしれない。2/4、半分止めてるんで。初日なんで許してください。そこはね、もちろん、僕も意識してやっていました。やっぱり僕の持ち味は着地で勝負してきたので。全部止めて当たり前という気持ちを持ってやっていたので。でも、ちょっと特別な状況だったと言い訳を、引退したのでさせてください」

 ――ショーを作る上げる中で羽生さんの凄さは
 「誰に対しても全力でぶつかっている。自分がこうしていきたいんだって思いをしっかりぶつけられる人間だなと。ほんとに羽生君のこだわりの色が凄く出ているショーになっていると思う。僕のコラボの部分も、凄いこだわってやっているんだなって。本番前に入るところがこれくらいの距離、この距離感でオリンピックとか世界フィギュアの時の映像で映ったりする羽生君の集中している感じを生で見られて、全力なんだなって。大事な試合じゃなくてもあの感じを出せるというのは、僕が体操くそばか野郎、ほんとにスケートくそばか野郎だなって思いました」

 ――羽生さんとのコラボ内容はどうやって決めていったのか
 「旋回とスピンは僕が絶対にやりたいと伝えて。お互いのやりたいことを意見出して、これはできそうだね、ちょっと難しそうだねって感じで意見交換して。どういう風に合わせるのかが結構、難しいのかなと思っていたけど、『僕が合わせるんで大丈夫です』って言われて。じゃあ、お願いしますって。『内村さんは思ったようにやってもらえれば、僕はそれに合わせるんで』って。もちろん、滑っているので体操の床よりは自由度は効くので、そういう合わせる部分ではスケートの方が合わせやすいかなと思ったんで。それにしても、やっていると滑っているのも横目で見えるけど、僕も合わそうとはしている。お互いが合わせようとしているのがやりながら伝わる。それがおもしろくて。その呼吸は結構、合っていたと思う。昨日でちゃんと合わせられるなっていうのが僕の中であった」

 ――天才同士の呼吸
 「天才ではないと思いますけどね、お互い。ちゃんと努力してこの場にいると思う。でも、お互い似たもの同士、結果もオリンピック2連覇ですし、その競技を極めたいと思う者同士、まだ極めきっていないと思っていると思うので、彼も。まだ道半ばなんですけど、お互いがお互いのことをリスペクトしているので、呼吸も合いやすいのかなと感じました」

 ――最初にやろうと思った時
 「僕はスケートできませんよ、とまず言って。種目は何をやるんだろ、あ、床なんだって。僕もいずれ羽生君とコラボしたいと思っていたので、まさかこんなに早くコラボできるとは思っていなくて。僕の理想を言うと、スケートリンクのど真ん中に鉄棒を置いてやりたかった、ほんとは。でも、それは絶対に難しいと思うので。これをきっかけに新しくまた何かあれば。僕からお誘いするのはちょっと難しいと思うので、誘われたら『すぐ行きます!』って感じで準備をしたいと思う」

 ――最初はどんな感じでコラボしたいと思っていたのか
 「スケートリンクのど真ん中に鉄棒置きたいです、僕の理想は。(曲に合わせて?)はい。鉄棒は離れ技もありますし。ただ、最後の着地のところがフィギュアのアクセルジャンプとかループジャンプとかに近い動きだけど、フィギュアはそれで止まらないので、ちょっと難しいと思うんですけど、羽生君がつくってほしいですね、鉄棒がど真ん中にあるリンクをつくってくれれば。ただ、僕しか使えないすけどね」

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