国内女子ツアー開幕 地元沖縄出身21歳ルーキー・荒川「100点以上」の2位発進

[ 2023年3月3日 04:45 ]

女子ゴルフツアー ダイキン・オーキッド・レディース第1日 ( 2023年3月2日    沖縄県 琉球GC=560ヤード、パー72 )

地元沖縄で好発進し笑顔を見せる荒川怜郁(撮影・西尾 大助)
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 地元沖縄出身でツアールーキーの荒川怜郁(れいか、21=橋本総業ホールディングス)が5バーディー、2ボギーの69で回り、3アンダーで首位と3差の2位と好発進した。昨年11月にプロテストに合格、現在は岐阜県にある中部学院大3年の女子大生プロがパワフルなショットを武器に日本人初となるプロデビュー戦Vを視界にとらえた。渡辺彩香(29=大東建託)が6アンダーで首位に立った。

 パワフルな打球が強風を切り裂き、2オンに成功した。最終18番パー5。2打目は残り240ヤード、3Wを握った。右足の重心を意識して強振。手前のバンカーを軽々と越えてグリーンに乗った。2パットで楽々バーディーとした。プロデビュー戦の初日を「69」で回り、堂々の2位発進。「100点以上のゴルフができました」と笑顔がはじけた。

 昨年11月、プロテストに合格。女子大生プロとなった。オフの1月31日から6日間、中嶋常幸から指導を受ける機会にも恵まれた。インパクト時に体が浮く課題を指摘され、右足の重心を意識している。実家はコースから車で約1時間。前夜は母のショウガ焼きに舌鼓を打った。沖縄の風も体重の乗った打球は苦にしなかった。

 ぶっつけ本番の新パターも好感触だ。「前日の練習でも持ってきた2本のパターが全然入らなくて」。急きょ、メーカーから提供されたパターを握った。第1組のトップバッターで「チョロするんじゃないか」というほど緊張した1番で6メートル、11番で8メートル、17番では10メートル近いバーディーパットを沈め、高麗グリーンを攻略した。

 趣味は料理とYouTube観賞という。お気に入りは釣った魚をさばいて食べている人の動画。自身でも「スーパーでサバの切り身を買ってきて、さばいたことはあります」とユニークなエピソードで笑わせた。コース外では、ほんわかした一面も持つ女子大生。この日、コース上での“さばき”は完璧だった。

 プロデビュー戦で優勝となれば日本人初の快挙となる。中嶋からはショートメールで「ファンを大切にして回りなさい」と激励された。ラウンドが進むにつれ、ファンの声援は増し「多方面にあいさつしなくてはいけなくて」と屈託なく笑った21歳。山下美夢有らと同じ「新世紀世代」からまた一人、新ヒロイン誕生の予感が漂ってきた。

 ≪日本人初プロデビューVなるか≫プロデビュー戦の荒川が初優勝を飾れば日本人初の快挙。従来の最短記録は笹生優花(当時19歳57日)の20年NEC軽井沢でのプロ2戦目で、佐伯三貴(当時22歳212日)が07年フジサンケイ・レディースでプロ4戦目で優勝した。外国人勢ではアン・ソンジュ(韓国)が10年ダイキン・オーキッド・レディースで日本ツアー初戦で優勝したが、既に韓国ツアーでプロとして活躍していた。

 ◇荒川 怜郁(あらかわ・れいか)2001年(平13)6月10日生まれ、沖縄県うるま市出身の21歳。5歳でゴルフを始め、コザ高から中部学院大スポーツ健康科学部に進学し、2年時には朝日杯優勝、現在3年生。アマ時代の昨年もダイキン・オーキッド・レディースに出場し、10位でベストアマに輝く。昨年プロテストに合格、同12月のQT(予選会)で4位。1Wの平均飛距離は250ヤード。1メートル70、60キロ。

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